日本大百科全書(ニッポニカ) 「三浦綾子」の意味・わかりやすい解説
三浦綾子
みうらあやこ
(1922―1999)
小説家。北海道旭川(あさひかわ)市に生まれる。旧姓堀田。1939年(昭和14)旭川市立高等女学校卒業後、7年間小学校教員を勤める。52年結核・脊椎(せきつい)カリエスの病床で受洗。59年三浦光世と結婚。64年朝日新聞社募集の1000万円懸賞小説に『氷点(ひょうてん)』が入選。人間の原罪をめぐる深刻な題材の作品であるにもかかわらず、作者のストーリー・テラーとしての力量により、斬新(ざんしん)な新聞小説として成功させ、一躍脚光を浴びた。その後『積木の箱』(1967~68)、『塩狩峠(しおかりとうげ)』(1969)、『細川ガラシャ夫人』(1973)、『天北(てんぽく)原野』(1976)『銃口』(1994)など、作者の敬虔(けいけん)な信仰世界を投影した作品やエッセイを数多く発表した。98年(平成10)旭川市に三浦綾子記念文学館が開設された。
[岡 宣子]
『『三浦綾子作品集』全18巻(1983~84・朝日新聞社)』▽『『塩狩峠』(新潮文庫)』▽『『銃口』(小学館文庫)』