三種(町)(読み)みたね

日本大百科全書(ニッポニカ) 「三種(町)」の意味・わかりやすい解説

三種(町)
みたね

秋田県北西部山本郡にある町。2006年(平成18)山本琴丘町(ことおかまち)、山本町、八竜町(はちりゅうまち)が合併して成立。旧八郎潟の北方と東方に位置し、干拓されてできた大潟(おおがた)村とは八郎潟調整池の東部承水路および西部承水路を挟んで接する。東部の丘陵地からゆるやかな傾斜で西部の平坦地に至る地勢で、町域の中央を三種川が流れる。西端は日本海に面する。JR奥羽本線、国道7号(羽州街道)、101号が通じ、秋田自動車道の琴丘森岳(もりたけ)と八竜の2インターチェンジが設置されている。

 南東部の琴丘地区は、米作畜産を行う農業が基幹産業で、八郎潟干拓による農地配分を受けている。鹿渡(かど)は羽州街道の宿駅であった。北東端には原生林の広がる房住山(ぼうじゅうざん)があり、新秋田観光三十景に選ばれている。スポーツ施設の充実が図られ、総合運動公園がつくられている。北東部の山本地区は、三種川流域に水田が広がり、またジュンサイを特産する。森岳は羽州街道の宿駅としてにぎわった。森岳温泉を中心に観光開発が進められている。森岳歌舞伎などの民俗芸能がみられる。西部の八竜地区では砂丘地農業が行われ、メロンスイカアスパラガスなどを特産する。海岸砂防林寛政(かんせい)年間(1789~1801)栗田定之丞(くりたさだのじょう)らの砂留・植林事業。また、釜谷浜は「日本の水浴場88選」にも選ばれ、海水浴シーズンには砂の彫刻コンクールも開催される。大山家住宅は江戸末期の農家で国の重要文化財。面積247.98平方キロメートル、人口1万5254(2020)。

[編集部]


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