三部(読み)サンブ

デジタル大辞泉 「三部」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぶ【三部】

三つの部分。三つの部門
密教で、胎蔵界を分けた、仏部・蓮華部・金剛部。また、金剛界・胎蔵界・蘇悉地そしつじ台密では胎蔵界・金剛界・胎金合部。
三部経」の略。
漢方で、3か所の脈。身体上中下の3部に分け、さらに、それぞれを天人地に分けて脈をとる。
短期大学で、午前または午後のみ授業を行う三年制の課程

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「三部」の意味・読み・例文・類語

さん‐ぶ【三部】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 書物の三そろい、三組。また、重要な三つの書物。
    1. [初出の実例]「万葉には仙覚がしたる注釈と云ものと、阿彌陀仏の林採葉集と、又仙覚がしたる新注釈と云物と此三部をだに持たらば」(出典:正徹物語(1448‐50頃)上)
  3. 三つの部分。三つの部類。三つの組。
    1. [初出の実例]「問。三部者。何哉。答。天妙。是云神変部。地妙。是云神通部。人妙。是云神力部。又是云三部妙壇」(出典:唯一神道名法要集(1511頃))
    2. [その他の文献]〔北史‐源賀伝〕
  4. 仏語。密教で、胎蔵界の曼荼羅における蓮華(れんげ)部・金剛部・仏部の総称。仏の大定、大智、大悲の三徳を表わす。また、胎蔵法・金剛法・蘇悉地法の総称。台密では胎蔵、金剛、金胎不二の三つ。
    1. [初出の実例]「五智水澄、浮月輪之影、三部鏡明、通大日之容」(出典:大日本国法華経験記(1040‐44)中)
  5. さんぶきょう(三部経)」の略。
  6. 漢方医学で、三か所の脈、すなわち、寸、関、調、また、寸、関、尺をいう。〔和漢名数(1678)〕 〔褚氏遺書‐平脉〕

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世界大百科事典(旧版)内の三部の言及

【三部九候診】より

…中国で用いられた病気の診断法の一つ。三部とは人体の上(顔面),中(手),下(足)の3部分のことで,それぞれに天,地,人の3部位があり,合計9部位の脈動をしらべることによって病気の所在と状態を知ろうというものである。《素問》(《黄帝内経》)の三部九候論篇にみられる説であるが,実際にどの程度用いられたか明らかでなく,後世では用いられていない。…

※「三部」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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