上山春平(読み)うえやましゅんぺい

百科事典マイペディア 「上山春平」の意味・わかりやすい解説

上山春平【うえやましゅんぺい】

哲学者。台湾生まれ。本籍は和歌山県。1943年,京都帝国大学文学部哲学科卒業。海軍見習士官として特攻兵器回天人間魚雷)に搭乗した。京都大学人文科学研究所助教授をへて,1968年同研究所教授。初期の関心はプラグマティズムの研究にあったが,その後日本文化論に移り,日本の仏教,国家,自然についての論考を多く発表した。中尾佐助,佐々木高明らと照葉樹林文化論提唱,日本の基底文化を生態学的にとらえる視点を打ち出した。日本国憲法下の象徴天皇制を,古代以来の天皇制の通例の姿として擁護(ようご)している。桑原武夫今西錦司ら京都大学人文科学研究所の共同研究の全盛期を支える役割を担った一人で,ジャーナリズムから梅棹忠夫,梅原猛らとともに新・京都学派と呼ばれることもあった。京都国立博物館館長,京都市立芸術大学学長などを歴任。《上山春平著作集》(全10巻,1994年―1996年,宝蔵館)。文化功労者(1994年)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「上山春平」の解説

上山春平 うえやま-しゅんぺい

1921-2012 昭和後期-平成時代の哲学者。
大正10年1月16日台湾生まれ。海軍にはいり人間魚雷「回天」特攻隊に配属される。昭和43年京大人文科学研究所教授,のち所長。みずからの戦争体験をふまえナショナリズムを研究。世界史の視点から日本国家の特性追究。京都国立博物館長,京都市立芸大学長などをつとめた。平成6年文化功労者。平成24年8月3日死去。91歳。京都帝大卒。著作に「大東亜戦争の意味」「神々の体系」「天皇制の深層」など。

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