日本大百科全書(ニッポニカ) 「上志比」の意味・わかりやすい解説
上志比
かみしひ
福井県北部、吉田郡(よしだぐん)にあった旧村名(上志比村(むら))。2006年(平成18)吉田郡永平寺町(えいへいじちょう)に合併。同町南東部を占め、九頭竜川(くずりゅうがわ)中流の左岸に位置する。地名は中世の荘園(しょうえん)志比荘による。福井と勝山を結ぶ国道416号(旧勝山街道)に沿い、山王地区が旧中心集落で、えちぜん鉄道勝山永平寺線が通じる。農村ながら機業も盛んであったが、衰退傾向にある。ニンニクが特産品。かつては洪水常襲地で、集落は段丘や自然堤防上にある。小舟渡(こぶなと)は旧勝山街道のもと舟渡し場で、南東の山中には越前(えちぜん)に入った道元(どうげん)が最初に開いた坐禅(ざぜん)道場吉峰寺(きっぽうじ)がある。
[島田正彦]
『『上志比村史』(1978・上志比村)』