下り立つ(読み)オリタツ

デジタル大辞泉 「下り立つ」の意味・読み・例文・類語

おり‐た・つ【下り立つ/降り立つ】

[動タ五(四)]
乗り物などからおりて地面に立つ。「空港に―・つ」
川や田など、水のある低い所におりていく。
「―・ちて汲みはみねども渡り川人の瀬とはた契らざりしを」〈真木柱
直接、自分自身でする。
「―・ちて尋ねありかむもかたくなし」〈手習
度を過ごして行う。熱中する。
「恋し悲しと―・たねど、常にあひ見ぬ恋の苦しさを」〈浮舟
[類語]下りる降車下車下船下乗下馬降機

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下り立つ」の意味・読み・例文・類語

おり‐た・つ【下立・降立】

  1. 〘 自動詞 タ行五(四) 〙
  2. 馬や乗物などからおりて地上に立つ。高い所からおりて地上に立つ。
    1. [初出の実例]「爾に御船に入れし楯を取りて下立(おりたち)たまひき」(出典古事記(712)中)
  3. 川や田など、水のある低い所におりて行く。田にはいって働く。
    1. [初出の実例]「すのりゐるぬまかはみづにおりたちてとるにもそでぞまづぞほしぬる」(出典:忠見集(960頃))
  4. 自分で手を下して物事を行なう。立ち入ってふるまう。
    1. [初出の実例]「焼米(やいごめ)せさせなどするわざに、おりたちてあり」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
  5. 身も心も打ち込む。熱中する。懸命になる。
    1. [初出の実例]「今はことつけやり給ふべき滞りもなきをと、をりたち聞え給へど」(出典:源氏物語(1001‐14頃)行幸)

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