下馬(読み)ゲバ

デジタル大辞泉 「下馬」の意味・読み・例文・類語

げ‐ば【下馬】

[名](スル)
下等な馬。
馬から下りること。「騎手下馬する」
貴人の前や社寺などで、敬意を表すために馬を下りること。下乗
下馬先」の略。
[類語](2)(3下りる降り立つ降車下車下船下乗降機

した‐うま【下馬】

あわせの下に着る浴衣ゆかた。粗末な衣服
「お姫様になる者が―でも行かれめえと」〈合・正本製・初〉
質に入れる品物質草
「春の流れに―の裾をひたして利息を固め」〈黄・竈将軍

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「下馬」の意味・読み・例文・類語

げ‐ば【下馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 劣った馬。下等な馬。
    1. [初出の実例]「凡細馬十疋、中馬五十疋、下馬廿疋」(出典:延喜式(927)四八)
  3. ( ━する ) 馬からおりること。社寺の境内や貴人の門前、また、道で貴人に出会った時などに、敬意を表して馬をおりること。下乗。下馬落とし。
    1. [初出の実例]「過檀山陵、詔陪従百官、悉令下馬」(出典:続日本紀‐天平神護元年(765)一〇月癸酉)
    2. 「行路に蟇のおどり出来(でた)るを下馬して拝す」(出典:平治物語(1220頃か)下)
    3. [その他の文献]〔杜甫‐少年行詩〕
  4. げばさき(下馬先)
    1. [初出の実例]「あれを見や、下馬に乗馬を紲(つな)いだは、旗下大名の参りか」(出典:浄瑠璃・傾城島原蛙合戦(1719)一)

した‐うま【下馬】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 綿入れや袷(あわせ)の下などに重ねて着るゆかた。江戸時代、下層階級の人が用いた粗末な衣服。
    1. [初出の実例]「下馬の古じばん百に踏でおまへにかす」(出典:浄瑠璃・嫩㮤葉相生源氏(1773)五)
  3. 質屋抵当として入れる品物。質草。
    1. [初出の実例]「伯了は下(しタ)馬の気でふんだくり」(出典:雑俳・川柳評万句合‐明和二(1765)松六)
    2. 「二朱か四百の抵当(かた)に、下馬を下げるから」(出典:歌舞伎・時桔梗出世請状(1808)二幕)
  4. 妻。または、妻同然の女。
    1. [初出の実例]「この裏の鍼医の下馬よ。おつりきな年増だから、ちょっと当ったら、今ぢゃ逃げてくれろと云って、この頃は剛気に逆上せたね」(出典:歌舞伎・伊勢平氏梅英幣(1820)大切)

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普及版 字通 「下馬」の読み・字形・画数・意味

【下馬】げば

下乗。

字通「下」の項目を見る

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