六訂版 家庭医学大全科 「下垂体炎」の解説
下垂体炎
かすいたいえん
Hypophysitis
(内分泌系とビタミンの病気)
どんな病気か
下垂体に起こる自己免疫性の病気と考えられています。MRIなどの画像検査の進歩により、最近この病気がよく見つかるようになりました。
下垂体ホルモンの分泌に異常を来すことがあります。その場合は、妊娠、分娩に関連して、女性に多く起こると考えられています。
原因は何か
自己免疫機序(仕組み)が関係しているといわれていますが、その発生機序は明らかではありません。他の自己免疫疾患の合併も多くみられます。下垂体
症状の現れ方
頭痛や
検査と診断
血中下垂体ホルモンの測定やホルモン分泌刺激試験が行われます。抗利尿ホルモンの分泌障害が疑われる例では、尿崩症に準じた検査が行われます。MRIにより、下垂体の
治療の方法
確立された治療方法はありませんが、副腎皮質ステロイド薬の効果が報告されています。また、下垂体前葉機能の低下を生じた場合は、必要に応じてホルモン補充療法が行われます。尿崩症がある場合は、
病気に気づいたらどうする
一般の内科での疾患概念の普及や認識も十分ではないので、内分泌専門医の診察を受けることをすすめます。
蔭山 和則, 須田 俊宏
出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報