下河内村辰蔵(読み)しもごうちむらたつぞう

日本大百科全書(ニッポニカ) 「下河内村辰蔵」の意味・わかりやすい解説

下河内村辰蔵
しもごうちむらたつぞう
(1796―1837)

江戸後期1836年(天保7)、三河国(愛知県)に起こった加茂一揆(かもいっき)の指導者。加茂郡下河内村(豊田(とよた)市)の中農。『鴨(かも)の騒立(さわだち)』という騒動記には、「初め大工、後は小相撲(こずもう)を取り、博奕(ばくち)を好み、俗に言う道楽者なり」と記されている。辰蔵の扇動で問屋・酒屋などが打毀(うちこわ)されたが、辰蔵自身の家も毀される、という複雑な人物である。一揆の張本として江戸に送られ、取調べ中に牢死(ろうし)した。

[横山十四男]

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「下河内村辰蔵」の解説

下河内村辰蔵 しもごうちむら-たつぞう

1796-1838 江戸時代後期の一揆(いっき)指導者。
寛政8年生まれ。三河下河内村(愛知県豊田市)の農民。天保(てんぽう)7年の凶作をきっかけに加茂・額田(ぬかた)郡の農民一万数千人が年貢米減免などを要求し,「世直し」を呼号して商家などを打ちこわした加茂一揆を指導した。一揆が鎮圧された後,江戸におくられ,天保9年3月10日牢死。43歳。姓は松平

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