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世直し ヨナオシ

デジタル大辞泉の解説

よ‐なおし〔‐なほし〕【世直し】

世の中をよくすること。特に、幕末から明治の初めにかけて、貧民の救済、平等な社会の実現を希求した民衆意識。
凶事を吉事にするように祝いなおすこと。縁起なおし。「世直しに一杯やる」
地震・雷などのときに唱える呪文(じゅもん)。

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百科事典マイペディアの解説

世直し【よなおし】

もともとは地震除(よ)け,雷除けなどのまじないの言葉として,また広く縁起直し,世の中の悪い状態を直すことを意味する語。江戸中期以降,新たな世を迎えたいという願望を反映する観念として,政治動向や,打毀(うちこわし)を伴う騒動と結びつけて理解されるようになった。
→関連項目一揆加茂一揆信達騒動赤報隊福島藩武州一揆

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とっさの日本語便利帳の解説

世直し

幕末期の、幕藩封建支配に反対する民衆運動。農村においては、打ちこわし、百姓一揆の形をとり、農村から農村、都市へ波及して行った。

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世界大百科事典 第2版の解説

よなおし【世直し】

もともとは,縁起直し,世の中の悪い状態を直すことを意味する語として,また地震,雷などを除ける呪(まじな)いの言葉として,17世紀末ごろから都市民の間で使われた言葉である。
世直し大明神
 1784年(天明4)3月24日,新番組の旗本佐野善左衛門政言(まさこと)が,江戸殿中で当時権勢並ぶ者がないといわれた田沼父子のうちの田沼意知(おきとも)に斬りつけ,これがもとで意知は3月26日に死に,意知の父意次(おきつぐ)も急速に権勢を弱め,86年老中を免職となり,翌87年に減封された。

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大辞林 第三版の解説

よなおし【世直し】

( 名 ) スル
世の中を改め、新しい世にすること。特に、江戸中期以降から明治初年まで、貧困からの解放と救済を求めた農民や都市住民の世直し一揆や打ちこわしなどをいう。
縁起なおし。 「一年のうちに二度も正月を迎へて、-といふことをやつた/夜明け前 藤村
地震・雷鳴のときに唱える呪文。 「 - -桑原と、生たる心地はなかりけり/浄瑠璃・日本振袖始」

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

世直し
よなおし

幕末期の民衆の変革意識をいう。この語はもともと、都市民の間に縁起直しの意味で使われていたといわれる。1784年(天明4)若年寄(わかどしより)として権勢を振るっていた田沼意知(たぬまおきとも)が江戸城中で旗本佐野政言(さのまさこと)(善左衛門)に斬(き)りつけられる事件があり、江戸市民は佐野を世直し大明神といって祀(まつ)った。それは、ちょうどこのころ米価が下落したことと佐野の行動とを結び付けたものであった。こののち、文化(ぶんか)年間(1804~18)の豊後(ぶんご)大分の岡騒動に騒動・打毀(うちこわし)と結び付いて世直し大明神が登場、1836年(天保7)の三河鴨(みかわかも)騒動(加茂一揆(かもいっき))でも世直しが称されたという。維新期に入って、1866年(慶応2)から明治初年にかけての騒動・打毀は、とくに「世直し騒動」とよばれる。その典型例は上州騒動であり、これらの騒動・打毀は世直し大明神の神意によるものであって、打毀などの過激な行為は、この世直し大明神にかわって行う制裁行為であるとする論理が流れていた。そして、この世直しが目標としている世の中は、小生産者が、不当な支配や収奪を受けることなく、安定的に生産活動に携わり、生活を営めるような、小生産者の世界であった。この目標は、維新の時期においては著しく幻想的なものであり、世直し大明神という考え方もきわめて素朴なものであったが、その論理とそれに基づく激しい騒動・打毀の展開は、幕藩体制の崩壊を決定的にした。明治新政府のもとで、世直しは、政府を相手とする運動に変わったが、政府の騒動・打毀に対する徹底的弾圧と、新たな支配体制の実行とによって、世直しの考え方は体制的に否定されたが、しかしわずかに、民衆宗教の教理などに組み込まれ、継承されていった。[佐々木潤之介]
『佐々木潤之介著『幕末社会論』(1969・塙書房) ▽佐々木潤之介著『世直し』(岩波新書)』

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世界大百科事典内の世直しの言及

【地震】より

…これは世直りの観念と揆(き)を一にしている。一方,大鯰が鯰男の姿となり,海の彼方から出現してきて金持ちの悪徳商人たちをたたきのめしている図もあり,これは〈世直し鯰〉として包括されている。〈世直り〉とか〈世直し〉という日本語は,江戸時代の初期にはすでに存在していたらしい。…

※「世直し」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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