コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

不働態 ふどうたいpassivity passive state

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

不働態
ふどうたい
passivity passive state

受働態ともいう。金属が空気中の酸素や酸化剤を含む水溶液などに接したとき,反応生成物が緻密な皮膜となって金属面に固着する。そのとき金属は浸食速度が小さい耐食性にすぐれた状態となる。これが不働態である。アルミニウム,チタン,ステンレス鋼が外見上貴金属と同様に錆びないようにみえるのは,表面に数十Åの透明な不働態皮膜が存在しているからである。鉄も酸性や中性の水溶液では,溶解したり厚い錆層を形成しつつ腐食していくが,アルカリ性のコンクリート中では不働態となるため,コンクリート補強用鉄筋として用いられる。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

百科事典マイペディアの解説

不働態【ふどうたい】

鉄は希硝酸に溶けるが濃硝酸にはほとんど溶解しない。また一度濃硝酸に浸した鉄は,普通なら溶けるはずの硫酸銅溶液に入れても溶けない。これは金属の表面に酸化物の不溶性薄膜ができるためで,このような状態を不働態という。
→関連項目

出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報

世界大百科事典 第2版の解説

ふどうたい【不働態 passivity】

不動態とも書く。硫酸中に鉄Fe試片を浸漬し,これを陽極として働かせると,電極電位が高くなるにつれて金属の溶解が盛んになり,図1のように電流密度は増加する。しかし,ある電極電位に達すると,電流密度は急激に減少して,Feの溶解がほとんど止まった状態になる。これと類似の現象はFe以外にもニッケルNi,コバルトCo,クロムCrなどにも観測される。これは金属の表面にきわめて薄い不溶性かつ絶縁性の薄膜(多くは酸化物,または水酸化物)が生成したためと考えられ,この状態を不働態,生成したと考えられる薄膜を不働態皮膜と呼ぶ。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

不働態の関連キーワードトタンペイントフラーデ電位トリウム電気防食不動態受働態王水

今日のキーワード

桃李もの言わざれども下自ら蹊を成す

《「史記」李将軍伝賛から》桃やすももは何も言わないが、花や実を慕って人が多く集まるので、その下には自然に道ができる。徳望のある人のもとへは人が自然に集まることのたとえ。...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android