不退院(読み)ふたいいん

日本歴史地名大系 「不退院」の解説

不退院
ふたいいん

[現在地名]盛岡市仙北二丁目

千日堂と号し、浄土宗。本尊阿弥陀如来。境内に虚空蔵菩薩が祀られ、俗に虚空蔵さんと称される。元文城下図では仙北せんぼく町東方の北上川土手際に位置する。寺社修験本末支配之記(内史略)には「円光寺末寺、不退院、仙北町川原、千日と唱」とある。寺伝によれば、元禄七年(一六九四)飢饉の際、円光えんこう寺中興の良観喜微は、餓死者埋葬供養のため北上川のうき島に草庵を結び、一千日の別時念仏を行い、十三日じゆうさんにち町の星山屋元祖の寄進による阿弥陀如来を本尊とし、千日堂不退院と称した。享保九年(一七二四)北上川の大洪水により草庵が流失したので、現在地を盛岡藩から拝領して本堂を再建。


不退院
ふたいいん

[現在地名]西尾市上道目記町 池田

集落の中央に位置する。授法山と号し、浄土宗西山深草派。本尊は来迎阿弥陀三尊。応永八年(一四〇一)徳永とくなが城主徳永小七郎義雄により建立。悦山暢喜を開基とし、授法山不退院上衍じようえん寺と称す。小七郎の死後、寺は荒廃したが、永禄年間(一五五八―七〇)新しく荒川あらかわ城主荒川義広の保護を受けるようになり、仏殿・庫裏を改修(不退院文書)

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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