カンピドリオ広場(読み)かんぴどりおひろば(英語表記)Piazza del Campidoglio

日本大百科全書(ニッポニカ) 「カンピドリオ広場」の意味・わかりやすい解説

カンピドリオ広場
かんぴどりおひろば
Piazza del Campidoglio

ローマカンピドリオの丘にある小広場ミケランジェロ設計によって有名。この場所には、古代ローマの記録庫(タブラリウム)を中核として、中世に改築された旧元老院とその付属建造物があり、全体として秩序シンメトリーも欠如していた。ミケランジェロは旧元老院前の広場の輪郭梯形(ていけい)(台形)とするために、左右に新たに設計した2棟の建物の間隔が、奥が幅広く手前が狭くなるように配置し、その梯形の枠内に星形を基調としたデザインを組み入れ、中心部にマルクス・アウレリウス帝のブロンズ騎馬像を設置した。また旧元老院の正面には新たに両面階段を取り付け、前面に河神「ナイル」と「テーベレ」の擬人像を左右に配した噴水盤を設け、その上部に女神「ローマ」の彫像を立てた。このように、広場と建物とを調和的に結合させようというミケランジェロの構想(1526)を、その死後16世紀後半から17世紀初頭にかけて実現させたのは、建築家ジローラモ・ライナルディとジャコモ・デッラ・ポルタの2人である。

[濱谷勝也]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「カンピドリオ広場」の意味・わかりやすい解説

カンピドリオ広場
カンピドリオひろば
Piazza del Campidoglio

ローマのカピトリーノの丘にある広場。 1538年頃ミケランジェロによって設計着工され,のちに G.デラ・ポルタによって一部変更されて 90年頃に完成した。広場に通じる幅広い階段を登りつめると,両側ディオスクロイ (ゼウス神の双生児) の彫像が立ち,梯形をなす広場の中央には『マルクス・アウレリウス騎馬像』があり,広場を囲んで正面にパラッツォ・セナトリオ,両側にパラッツォ・ディ・コンセルバトーリおよびカピトリーノ美術館が建っている。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

今日のキーワード

マイナ保険証

マイナンバーカードを健康保険証として利用できるようにしたもの。マイナポータルなどで利用登録が必要。令和3年(2021)10月から本格運用開始。マイナンバー保険証。マイナンバーカード健康保険証。...

マイナ保険証の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android