ローマのカンピドリオの丘にある小広場。ミケランジェロの設計によって有名。この場所には、古代ローマの記録庫(タブラリウム)を中核として、中世に改築された旧元老院とその付属建造物があり、全体として秩序もシンメトリーも欠如していた。ミケランジェロは旧元老院前の広場の輪郭を梯形(ていけい)(台形)とするために、左右に新たに設計した2棟の建物の間隔が、奥が幅広く手前が狭くなるように配置し、その梯形の枠内に星形を基調としたデザインを組み入れ、中心部にマルクス・アウレリウス帝のブロンズ騎馬像を設置した。また旧元老院の正面には新たに両面階段を取り付け、前面に河神「ナイル」と「テーベレ」の擬人像を左右に配した噴水盤を設け、その上部に女神「ローマ」の彫像を立てた。このように、広場と建物とを調和的に結合させようというミケランジェロの構想(1526)を、その死後16世紀後半から17世紀初頭にかけて実現させたのは、建築家ジローラモ・ライナルディとジャコモ・デッラ・ポルタの2人である。
[濱谷勝也]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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