日本大百科全書(ニッポニカ) 「世界禁煙デー」の意味・わかりやすい解説
世界禁煙デー
せかいきんえんでー
World No-Tobacco Day
5月31日。喫煙や受動喫煙による健康被害に関する啓発を進め、たばこを吸わないことを一般的な慣習として根づかせるための日。世界保健機関(WHO)では、1970年にたばこ対策に関する初めての世界保健機関決議を行い、これ以降、たばこ対策を重要な健康問題として施策に取り組んできた。世界禁煙デーは、1987年の世界保健機関決議において、1回目の国際デーを1988年4月7日に実施することを決定し、翌1989年の決議で、この年以降は毎年5月31日に実施することが正式に定められた。WHOは毎年スローガンを発表し、喫煙や受動喫煙が健康に与える危険性やニコチンの依存性、たばこ産業に関する情報などをさまざまな視点から掘り下げ、社会に対して問題提起している。
この日は世界各地でさまざまなキャンペーンが実施される。日本では1992年(平成4)より世界禁煙デーに続く1週間を、禁煙週間と定め、健康日本21や癌(がん)対策基本計画などの施策と関連づけながら、たばこの健康被害についての啓発活動を実施している。また、2004年(平成16)に政府は「たばこ規制に関する世界保健機関枠組条約」に署名し、翌2005年に多数国間条約として同条約が発効したため、公共の場を全面禁煙にすべきことなどを通知し、路上喫煙防止や分煙をはじめとする受動喫煙防止対策などに取り組んでいる。
[編集部]