中村里好(初代)(読み)なかむら・りこう

朝日日本歴史人物事典 「中村里好(初代)」の解説

中村里好(初代)

没年:天明6.10.11(1786.11.1)
生年寛保2(1742)
江戸中期の歌舞伎役者俳名里好,屋号堺屋初代中村歌右衛門の門弟。初名千三郎を経て宝暦初年から中村松右衛門を名乗って上方修業,若女形として成長した。宝暦11(1761)年江戸に下って松江と改名し,以後江戸で活躍した。里好と改めたのは安永2(1773)年のこと。美貌の女形で人気があり,得意な役柄世話女房傾城などであった。なお前名の松右衛門は,子供芝居で好評を得た「ひらがな盛衰記」の役名をそのままとったもの。里好の名は2代目(のちに初代嵐璃光となる)までだが,前名の松江は若女形の名として現代の5代目まで続いている。<参考文献>『日本庶民文化史料集成』6巻

(池山晃)

出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「中村里好(初代)」の解説

中村里好(初代) なかむら-りこう

1742-1786 江戸時代中期の歌舞伎役者。
寛保(かんぽう)2年生まれ。初代中村歌右衛門の門弟。中村千三郎,中村松右衛門を名のり若女方をつとめる。宝暦11年中村松江(まつえ)(初代)と改名し,安永2年里好とあらためた。美貌(びぼう)で世話女房や傾城(けいせい)役を得意とした。天明6年10月11日死去。45歳。俳名は里公,里好。屋号は堺屋。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

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