幕末の福井藩士。名は師質(もろかた)、通称靭負(ゆきえ)、雪江は号。30歳にして国学研究を志し、1838年(天保9)平田篤胤(ひらたあつたね)に入門。翌年八か条からなる建言書を藩主松平慶永(よしなが)に提出し藩政改革に参加、財政再建に奔走した。ペリー来航以後、終始慶永の侍側にあって一橋慶喜(ひとつばしよしのぶ)擁立運動を補佐、橋本左内(さない)と親しく交わった。62年(文久2)慶永の政事総裁職就任後は公武合体派として活動。大政奉還後は参与に任ぜられ徳川氏救解に努力、68年(明治1)内国事務局判事を兼ねたが、まもなく辞任、帰郷して悠々自適の余生を送った。その著『昨夢紀事(さくむきじ)』『再夢紀事』『丁卯(ていぼう)日記』『戊辰(ぼしん)日記』は幕府側からの重要史料である。
[山口宗之]
『百年祭事業会編『中根雪江先生』(1977・中根雪江先生百年祭事業)』
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幕末・維新期の福井藩の志士。名は師質,通称靱負,のち雪江。平田派国学の影響下で尊王思想を唱え,藩主松平慶永に抜擢(ばつてき)され参政となる。慶永の片腕として藩政改革,一橋慶喜の擁立,公武合体運動を推進した。維新後は新政府参与,内国事務局判事を務めた。著書に《昨夢紀事》《再夢紀事》《丁卯日記》《戊辰日記》等があり,いずれも幕末・維新期の裏面を探る史料として重要である。
執筆者:桂島 宣弘
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(高木不二)
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