朝日日本歴史人物事典 「中臣宮処東人」の解説
中臣宮処東人
生年:生年不詳
奈良時代の官人。神亀6(729)年2月に左大臣長屋王の謀反を密告し,無位から外従五位下に昇叙し,封30戸,田10町を授けられた。天平10(738)年には右兵庫頭であったらしい。この年7月の政務の合間に左兵庫少属大伴子虫と囲碁をしていた際に,話が長屋王のことにおよび,憤激した子虫のために斬殺された。子虫はかつて長屋王に仕えた人物であるというから,あるいは子虫は主人の復讐の機会を狙っており,たまたま東人が密告の件を漏らしたために,復讐を遂げたのかもしれない。
(森公章)
出典 朝日日本歴史人物事典:(株)朝日新聞出版朝日日本歴史人物事典について 情報