丹波与作(読み)タンバヨサク

デジタル大辞泉 「丹波与作」の意味・読み・例文・類語

たんばよさく【丹波与作】

丹波馬方。のち江戸へ出て出世し、武士になった。寛文(1661~1673)ごろから、関の小万との情事俗謡に歌われ、浄瑠璃歌舞伎にも脚色された。

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精選版 日本国語大辞典 「丹波与作」の意味・読み・例文・類語

たんば‐よさく【丹波与作】

  1. [ 一 ] 江戸時代初期、俗謡に歌われた丹波の馬方の名。関の小万恋人とされる。歌舞伎脚本「丹波与作手綱帯」や近松の浄瑠璃などで戯曲化もされた。
  2. [ 二 ] 浄瑠璃「丹波与作待夜の小室節(たんばよさくまつよのこむろぶし)」の通称。また、正徳二年(一七一二再演の際の外題

たんば‐の‐よさく【丹波与作】

  1. たんばよさく(丹波与作)

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デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「丹波与作」の解説

丹波与作 たんば-よさく

人形浄瑠璃(じょうるり)の主人公
俗謡でうたわれた人物題材に,宝永4年(1707)近松門左衛門が,馬方におちぶれたもと武士の与作に,なじみの女小万,妻の滋野井(しげのい),子の三吉らがからむ物語「丹波与作待夜の小室節」を創作した。改作物に「恋女房染分手綱(そめわけたづな)」がある。

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歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典 「丹波与作」の解説

丹波与作
(通称)
たんばよさく

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
元の外題
丹波与作手綱帯 など
初演
元禄6(京・村山平右衛門座)

丹波与作
たんばよさく

歌舞伎・浄瑠璃の外題。
初演
延宝5.11(京・北側芝居)

出典 日外アソシエーツ「歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典」歌舞伎・浄瑠璃外題よみかた辞典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の丹波与作の言及

【丹波与作待夜の小室節】より

…与作は小万と死を決意するが,滋野井の努力で三吉ともども救われる。《落葉集》などに所収の歌謡や古浄瑠璃,歌舞伎で人々に知られた丹波与作を主人公とするが,筋立ては近松の創作になる。母と名のれぬ滋野井の苦衷や,母をしたう三吉のいたいけな感情が描かれる序幕がすぐれており,《恋女房染分手綱》(1751)の中に〈重の井子別れ〉としてまるごと採り入れられ,現在もたびたび上演される。…

※「丹波与作」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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