乗願寺(読み)じようがんじ

日本歴史地名大系 「乗願寺」の解説

乗願寺
じようがんじ

[現在地名]青梅市勝沼

勝沼山と号する。時宗。本尊阿弥陀如来。三田家二九代という三田下総守長綱が当麻山無量光むりようこう(現神奈川県相模原市)二世真教に帰依、春日作の阿弥陀如来を本尊とし、正安二年(一三〇〇)阿弥陀堂(五間四面)建立したという(慶安二年「三田領勝沼ノ郷乗願寺村勝沼山乗願寺開闢之事」斎藤家文書)。または無量光寺七世(鎌倉光明寺三世)真空が「三田乗願寺」初住であり、真空の師箕田定恵(光明寺二世寂恵の弟子)が鎌倉将軍家所持の阿弥陀像を奉じて乗願寺を建立したともいう(「麻山集」向得寺文書など)。定恵伝を記す「新撰往生伝」には「箕田勝願寺」とある。現本尊は四肢鋳銅の木彫像で、鎌倉期の優作。


乗願寺
じようがんじ

[現在地名]長岡京市浄土谷

浄土谷じようどだに集落のある小盆地の北側に南面して建つ。浄土山と号し、西山浄土宗。本尊阿弥陀如来坐像は総高四・八メートルの巨像大仏(おおぼとけ)とよばれる。八角の蓮華座上に定印を結んで結跏趺坐する。平安時代の作。後世の補修部分が多いが、近年本格修理が行われ古態に復した。府指定文化財。寺蔵の縁起によれば、本尊阿弥陀如来は開山の恵心の作で、天延年中(九七三―九七六)恵心が西海諸州の名岳霊窟を回った折、「当山浄土谷ハ、常在説法の道場、古仏久住の霊窟なれハとて、入らせられけるに、種々の奇瑞あるによりて」念仏して日夜西方を念じたところ、生身阿弥陀仏が来現。

出典 平凡社「日本歴史地名大系」日本歴史地名大系について 情報

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