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九成宮醴泉銘 きゅうせいきゅうれいせんのめいJiu-cheng-gong-li-quan-ming

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

九成宮醴泉銘
きゅうせいきゅうれいせんのめい
Jiu-cheng-gong-li-quan-ming

中国,唐の欧陽詢の正書の碑銘。貞観6 (632) 年に唐の太宗が,隋の仁寿宮を修理,造営した九成宮へ避暑に行ったとき,宮殿の一隅に醴泉 (味のよい泉) が湧出したのを記念し,魏徴に命じて撰文し,欧陽詢に書かせて立碑した。全 24行,各行 50字,陽刻の篆額がある。欧陽詢の書の代表作で唐の楷書の模範とされている。現在,陝西省麟遊県にその碑跡がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

九成宮醴泉銘
きゅうせいきゅうれいせんのめい

中国唐時代の碑で、欧陽詢(おうようじゅん)の手になるその書は中国書道史上屈指の名品とされる。631年(貞観5)、唐の太宗は隋(ずい)の仁寿宮(じんじゅきゅう)を修復して、九成宮と名を改めた。そして翌年の夏、暑さを避けてその地を訪れたが、宮殿の傍らに醴泉、つまり甘味のある水の泉がわき出たという。それを記念して碑が建立され、勅命によって碑の銘文は侍中の魏徴(ぎちょう)が撰進(せんしん)し、書は欧陽詢の筆になった。ときに欧陽詢は76歳。碑の頭部の篆額(てんがく)には「九成宮醴泉銘」とあり、楷書(かいしょ)で1行50字、24行に謹厳に揮毫(きごう)する。一点一画、寸分のすきもない緻密(ちみつ)な造形性と格調の高さとは、古くから「楷法の極則」と称して尊重され、楷書の理想形とされてきた。碑は現在の陝西(せんせい/シャンシー)省麟遊(りんゆう)県天台山にある故址(こし)にあるが、拓本を求める人があまりにも多かったことを示すように、いまでは碑面の磨滅が著しい。しかし、宋(そう)代の拓本には良好なものが残っている。[尾下多美子]

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