乞丐(読み)カタイ

デジタル大辞泉 「乞丐」の意味・読み・例文・類語

かた‐い〔‐ゐ〕【乞=丐】

1 こじき。ものもらい。
「―どもの、坏つき、なべなど据ゑてをるも、いとかなし」〈かげろふ・上〉
2 人をののしっていう語。物知らず。ばか者。
「この楫取かぢとりは、日もえ計らぬ―なりけり」〈土佐〉
3 かつてハンセン病、また、その患者をいった語。かったい。
[補説]「傍居かたい」の意というが、また、「片居」で、不完全な姿ですわっている者の意からとも。

こつ‐がい【▽乞×丐】

物乞いをすること。また、その人。こじき。乞丐人。
「父母ぶもありしかども皆死にて相知れる人もなし。然されば寄り付く方なくて、かかる―をばするなり」〈今昔・二・二四〉

きっ‐かい【▽乞×丐】

物乞い。乞食こじき。こつがい。
「何故、仙にして、―をして歩くか」〈芥川・仙人〉

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精選版 日本国語大辞典 「乞丐」の意味・読み・例文・類語

かた‐い‥ゐ【乞丐・傍居】

  1. 〘 名詞 〙
  2. ① 道のかたわらなどにいて、また、家々を回って食物、金銭などを人に乞う者。こじき。おもらい。かったい。〔十巻本和名抄(934頃)〕
    1. [初出の実例]「うらぶれて異土の乞食(カタヰ)となるとても、帰るところにあるまじや」(出典:抒情小曲集(1918)〈室生犀星〉小景異情)
  3. ② 人をののしっていう語。ばか。ばかもの。また、皮肉に自身を卑下するのに用いる。かったい。
    1. [初出の実例]「しかれども、ひねもすになみ風たたず。このかぢとりは、日もえはからぬかたゐなりけり」(出典:土左日記(935頃)承平五年二月四日)
  4. ③ ( 偏見と貧しさから、こじきのような生活をしたところから ) 古く、ハンセン病、またはその患者をいった。
    1. [初出の実例]「乞食 〈略〉按聖武天皇始建二悲田院於奈良一令二孤独者居一レ此〈略〉今以二癩病人一総為二加多井一」(出典:和漢三才図会(1712)七)

かった‐い‥ゐ【乞丐】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「かたい(乞丐)」の変化した語 )
  2. ① =かたい(乞丐)①
    1. [初出の実例]「諸のかったゐをあはれみて、朝夕物をとらす」(出典:発心集(1216頃か)二)
  3. ② =かたい(乞丐)③
    1. [初出の実例]「かったいは眉がないぞ」(出典:玉塵抄(1563)一五)
  4. ③ ( もしも誓いを破ったならば、②になってもよいという気持から ) みずから誓っていうことば。びゃくらい。
    1. [初出の実例]「もはやかたさまのやうなとのたちは、びゃくらい、がったい、いやでござんす」(出典:評判記・難波鉦(1680)一)
  5. ④ =かたい(乞丐)②
    1. [初出の実例]「ここもとにふたうなものを、やれかったいと云やうなこころぞ」(出典:山谷詩集鈔(1647)八)

こつ‐がい【乞丐・乞・乞】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「こつ」は「乞」の慣用音 ) 貧して他人に金銭や物品を乞うこと。また、その人。こじき。ものもらい。乞丐人。きっかい。かたい。
    1. [初出の実例]「息の下に、乞に候ふと荅(こたふ)」(出典:今昔物語集(1120頃か)二〇)

きっ‐かい【乞丐】

  1. 〘 名詞 〙 ( 「丐」も乞うの意 ) ものを乞うこと。また、こじき。ものもらい。かたい。こつがい。
    1. [初出の実例]「東西市頭乞丐者衆」(出典:続日本紀‐天平宝字八年(764)三月己未)
    2. 「老病一度身に迫るときに、英雄奴僕を羨み、王者も乞丐に笑はる」(出典:左千夫歌集(1920)〈伊藤左千夫〉)

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普及版 字通 「乞丐」の読み・字形・画数・意味

【乞丐】きつかい

乞。

字通「乞」の項目を見る。

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世界大百科事典(旧版)内の乞丐の言及

【乞食】より

…つまり都市や農村に住む民衆にとってこじきとは,生活圏の外から訪れてくる,なかばの期待となかばの恐れとをもって迎えるべき神聖な旅人でもあったのである。【真野 俊和】
[中国]
 中国ではこじきは一般に〈乞丐(きつかい)〉と呼ばれ,また仏教で俗に施物を乞うことを〈教化〉といったことから,転じて〈叫化子〉あるいは〈叫花子〉〈花子〉とも称された。貴賤の観念からすると,〈娼,優,隷,卒〉すなわち娼妓,俳優,小役人,兵卒が賤流とされたのに対して,こじきは社会的にその範疇にはいらないが,決して敬われる存在ではなかった。…

※「乞丐」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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