事前事後分析(読み)じぜんじごぶんせき(その他表記)ex-ante and ex-post analysis

百科事典マイペディア 「事前事後分析」の意味・わかりやすい解説

事前事後分析【じぜんじごぶんせき】

経済の変動過程を分析する手法の一つ。ある期間の初め経済主体が計画し期待した行為が,期末にどのように実現され,期待と結果の食い違いが次期行動を規定する期待にどのような影響を及ぼすか,という問題を扱う。主としてスウェーデン学派学者が提唱した。事前の量と事後の量とをそれぞれ別個に扱って経済を分析することもあり,この場合は事前分析または事後分析という。国民経済計算後者の例である。
→関連項目ミュルダール

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「事前事後分析」の意味・わかりやすい解説

事前事後分析
じぜんじごぶんせき
ex-ante and ex-post analysis

貯蓄,投資,所得などの概念を事前 (意図された,計画された) と事後 (実現された) とに分けて分析する手法。北欧学派の B.G.オリーン,E.R.リンダールによって提唱された期間分析の基本的手段。ある一定期間に生産される量 (事前的) は,その期の初めにおける産出量に関する経済主体の目標によって決定される。この決定は前期に実際に生産された結果と将来に対する企業家の予想に依存する。実際に生産される量はこのように作成された生産計画に依存し,この過程が繰返されていく。この事前事後の概念は,ケインズ理論における貯蓄・投資分析においても重要である。貯蓄・投資論争はすべて,その事前的不一致の可能性と事後的一致とを明確に区別しないことによって生じたといえる。

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