岩質の違う単層が交互に繰り返し重なりあっているような状態を指す。火成岩では層状併入岩などによる複層貫入や,結晶分化作用による級化層理などによって作られる。堆積岩では砂と粘土,またはシルトと粘土が互層を作ることが多く,過去の環境を示す鍵となる。例えば,炭層に伴うサイクロセムcyclothemと呼ぶ互層は淡水層,汽水層,海成層が繰り返し出現するもので,その原因としては海水準の変動に由来する変化ではないかと考えられている。一方,氷河性湖成堆積物はミリ層単位の細かい互層からなる場合があるが,これは季節変化によって形成されたものであるといわれる。また,海底地すべりなどによって引き起こされる乱泥流が原因となって互層が形成されることがある。このような互層は,堆積盆の形成史で特殊な時期に限られるという見方から,アルプスの地名に由来するフリッシュ岩相と呼ばれたこともある。
執筆者:加賀美 英雄
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2種類またはそれ以上の岩質の異なる単層が交互に繰り返し重なり合った地層。砂岩泥岩互層、チャート石灰岩互層など多くの組合せが知られている。単に互層というとき、砂岩泥岩互層をさす場合が多い。砂岩泥岩互層は乱泥流が堆積(たいせき)するときにできたものが多い。この場合、1回の乱泥流で1組の砂岩・泥岩層が堆積し、乱泥流が繰り返しておこることにより、互層が形成される。
[村田明広]
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