デジタル大辞泉
「五音相通」の意味・読み・例文・類語
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
ごいん‐そうつう ‥サウツウ【五音相通】
〘名〙 (五音とは五十音図中各行の五つの音をいう)
① (━する) 昔の音韻学用語。日本古来存在している音韻現象から帰納して発生した、国語の音韻変化を説明しようとする
理論。五十音図の同じ行の音が互いに通用し合うという考え。また、それらが互いに通用し合うこと。「さけ・さか(酒)」「ま・み・め(目・見・眼)」の類。今日では音変化の由来が明らかにされるものが多く、全体的にはこの考えは否定されるが、一定の限度内では音韻変化の現象の一つとして認められている。五音竪通
(ごいんじゅつう)。
※
仙覚抄(1269)一上「さけをさかといふこと五音相通なれば、いづれもたがふべからず」
②
和歌、
連歌(れんが)で句の移り目に五十音図の同行の字を継いで、音調をととのえる
技法。五音連声
(ごいんれんじょう)とともに
秘伝とされた。〔知連抄(1374頃)〕
③ 誤って、連声(れんじょう)を呼んだもの。
※
滑稽本・
浮世風呂(1809‐13)二「
延引(えんにん)だの、観音
(くゎんのん)だのと、あいうえをの上へ、むの字が乗れば、五音相通
(ゴインサウツウ)で」
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報