五七幹部学校(読み)ごしちかんぶがっこう(その他表記)Wǔ qī gàn bù xué xiào

改訂新版 世界大百科事典 「五七幹部学校」の意味・わかりやすい解説

五・七幹部学校 (ごしちかんぶがっこう)
Wǔ qī gàn bù xué xiào

中国共産党および政府機関の幹部が,農村に下放し生産労働に参加して政治意識を高め,官僚主義・教条主義的作風を改めるために開設された農場。1966年5月7日付で毛沢東林彪にあてた手紙で述べた〈全国を革命化した大きな学校にしよう〉という指示(〈五・七指示〉)の精神にもとづいて,黒竜江省革命委員会が68年5月7日に,同省慶安県柳河の農村に開設したのがはじまり。その後,急速に全国に広められ,在職幹部で老人,虚弱者,病人,身体障害者以外はすべて,交代で一定期間,そこで教育を受けることが義務づけられた。学校は未墾の荒廃地に開設され,近隣の貧農・下層中農に学びながら,自給自足をめざす生産活動がおこなわれたが,主要な目的は社会主義社会建設の指導者としての鍛練養成改造におかれ,実践と結びつけてマルクスや毛沢東の著作の学習も重視された。だが,〈四人組〉失脚後,この学校は,生産の向上,科学技術の発展に支障をきたすものとして廃止された。
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関連語 市川

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「五七幹部学校」の意味・わかりやすい解説

五・七幹部学校
ご・しちかんぶがっこう
Wu-qi gan-bu xue-xiao

中国文化大革命のさなかにできた制度で,党や政府の幹部が農村に「下放」して思想改造をはかる学校。 1966年5月7日に出された毛沢東主席の政治,軍事,生産,大衆活動,修正主義批判といった総合的知識を身につけるべきだという「五・七指示」に基づき,68年5月7日黒竜江省革命委員会が新旧の幹部を同省慶安県柳河の農場に「下放」させ,そこにこの学校を創設したのが始りで,その後全国に広まった。幹部はこの学校で,労働して勤労人民から離れず,「役人にもなれば民衆にもなる」世界観の改造に努めるよう義務づけられた。抗日軍政大学手本にしており,目的は階級闘争,生産闘争,科学実験の三大革命運動のなかで幹部を鍛え,真に大衆から学び,大衆と結合した幹部の養成とされたが,党と政府機関の幹部・大学教師に対する労働懲罰および政治迫害を加える場所と批判されたため中止した。

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