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亜急性甲状腺炎(デュ・クェルバン甲状腺炎) あきゅうせいこうじょうせんえんでゅくぇるばんこうじょうせんえんSubacute Thyroiditis

家庭医学館の解説

あきゅうせいこうじょうせんえんでゅくぇるばんこうじょうせんえん【亜急性甲状腺炎(デュ・クェルバン甲状腺炎) Subacute Thyroiditis】

[どんな病気か]
 甲状腺に急性の炎症がおこり、細胞が破壊されたために、甲状腺内に蓄えられていた甲状腺ホルモンが血液中に多量にもれ出し、一時的な甲状腺中毒症をおこす病気です。
 脈が速い、汗をかく、手指が震える(振戦(しんせん))などの症状がみられるほかに、くび(甲状腺)に痛みをともなう硬いしこり(硬結(こうけつ))があり、発熱など、全身の急性な炎症症状が現われます。
 これらの症状が消失して数週間たつと、血液中の甲状腺ホルモンは正常化し、2~5か月で自然に治ります。
●病気になりやすい人
 病気になりやすいのは、だんぜん女性で、なかでも30歳代以上の人が90%を占めます。中年の女性におこりやすい病気だといえます。
 どの季節でも発病しますが、夏にやや多くみられるようです。
[症状]
 激症型では、38~39℃の高熱が出て、甲状腺の一部にしこりができ、強い痛みがあります。痛みは耳の後部でも感じます。これを痛みの放散(ほうさん)といいます。
 中等症では、微熱が続き、全身のだるさ(倦怠感(けんたいかん))がありますが、甲状腺の痛みはそれほど強くありません。
 軽症では、甲状腺のしこりがあるだけで、熱も痛みもありませんが、指で触れると痛みを感じます。
 いずれにしても、日数がたつうちに、しこりはやわらかくなり、縮小し、やがて消失します。
[原因]
 原因として、甲状腺へのウイルスの感染が、もっとも有力視されています。
 血液を調べると、インフルエンザウイルス、ムンプスウイルス、アデノウイルス、エコーウイルス、コクサッキーウイルスなどを抗原とする抗体(こうたい)が増えており、病状が治まるにつれて抗体の量が減ってくる(経過とこれらのウイルスに対する抗体の量に関係がある)と報告されています。
[検査と診断]
 発病の初期に、血液をとって検査すると、血液沈降速度(けつえきちんこうそくど)(赤血球沈降速度(せっけっきゅうちんこうそくど))がきわめて速くなり、C反応性たんぱく(CRP)が陽性であるなど、炎症があるとみられる結果が出ますが、白血球(はっけっきゅう)の数は増えていません。
 また、血液中の活性型の甲状腺ホルモンである遊離(ゆうり)トリヨードサイロニン(フリーT3)、遊離サイロキシン(フリーT4)のほか、サイログロブリンが増えます。
 反対に、血液中の甲状腺刺激ホルモン(TSH)の値は低下し、放射性ヨード(123I 、131I)の摂取率(せっしゅりつ)で示される甲状腺のヨードのとりこみがきわめて低いという特徴があります。
 甲状腺の組織をわずかにとって顕微鏡で調べると(生検(せいけん))、甲状腺ホルモン分泌細胞(ぶんぴつさいぼう)(濾胞上皮細胞(ろほうじょうひさいぼう))が変性した多核巨細胞(たかくきょさいぼう)がみられます。
[治療]
 治療しなくても、短かければ1か月半、長くとも半年で完全に治ります。
 初期に、ステロイド(副腎皮質(ふくじんひしつ)ホルモン)を使用すると、発熱、痛みなどの症状を軽くするため有効ですが、非ステロイドの消炎鎮痛薬(しょうえんちんつうやく)が使われることもあります。
 ふつう、後遺症はありませんが、ときに甲状腺機能低下症(こうじょうせんきのうていかしょう)(「甲状腺機能低下症とは」)になることもあります。

出典 小学館家庭医学館について 情報

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