今文・古文(読み)きんぶん・こぶん

旺文社世界史事典 三訂版 「今文・古文」の解説

今文・古文
きんぶん・こぶん

今文とは漢代の隷書で書かれた儒家の経典古文とは周代の籀文 (ちゆうぶん) で書かれた経典
秦の始皇帝は,焚書・坑儒 (ふんしよこうじゆ) を行ったが,秦の朝廷では籀文の隷書への書きかえを行った。項羽 (こうう) が阿房宮を焼いたとき,これらの文献の大半が失われたが,前漢に仕えた秦の遺臣の学者たちは,記憶により今文(隷書)による文献を作成した。武帝が五経博士をおいて儒学官学にしたのは,今文によってであった。ところが,景帝の代に孔子の旧宅そのほかから,古文で書かれた『尚書』『礼記 (らいき) 』『論語』『孝経』などが発見され,今文学と対立したが,鄭玄 (じようげん) によって融合された。清朝では古文学が栄えたが,清末期に今文系の公羊 (くよう) 学が再興した。

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山川 世界史小辞典 改訂新版 「今文・古文」の解説

今文・古文(きんぶん・こぶん)

漢初の経書隷書体(れいしょたい)(今文)で書かれていた。別に漢代には戦国時代書体(古文)で書かれたテキストが発見され,両者は内容的にも異同があった。前者系統経学を今文学,後者の方を古文学という。

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