方丈(ほうじょう)のような寺院における僧の居所や、住宅につくられた仏像・仏画あるいは位牌(いはい)を安置するための部屋。中世の禅宗寺院では、僧の居所として塔頭(たっちゅう)を設けた。その中心となる方丈に、中世の終わりごろになると、室中の北側の仏間が現れる。将軍足利義政(あしかがよしまさ)の東山殿(ひがしやまどの)の遺構である慈照(じしょう)寺(銀閣寺)の東求(とうぐ)堂は義政の持仏堂で、その中心は二間四方の仏間であった。内裏(だいり)では仏間を黒戸(くろど)といい、常御殿(つねのごてん)のそばに独立した建物として建てられるのがつねであった。黒戸は幕府の絵師木村了琢(りょうたく)によって障壁が装飾された一室の建物で、一方の壁に寄せて作り付けの仏壇があった。民家の仏間では、仏壇を置く場所を部屋の外に張り出して建てる例が多い。また、座敷の床の間のわきに仏壇を置く場所を設けて、仏間としていることもある。とくに信仰心の厚い地域、なかでも真宗の強い地域では、奥の間や座敷などの奥に、りっぱな仏壇を置くための六畳程度の仏間を設けている家がしばしばみられる。
[平井 聖]
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