抵当不動産につき所有権または地上権を買い受けた者(第三取得者)が,抵当権者の請求に応じてその買受代金を抵当権者に支払うことにより,自己に対する抵当権の負担を免れる制度(民法377条)。抵当権者の請求によることなく,第三取得者が一定の金額を支払うことにより,抵当権を消滅させる滌除(てきじよ)とは異なる。代価弁済により,買主は売主に対する代金債務を弁済すると同時に,抵当不動産が競売されてみずからの買い受けた権利を失う危険からも解放される。この制度が機能するのは,抵当債務額より安く売買がなされた場合である。この場合,売買価格が予想される競売価格に近いならば,競売手続を経ることなくその代金を受け取ることができる点で抵当権者にとって便利である。また,抵当不動産の第三取得者にとっても,抵当債務額に満たない金額で抵当権の負担を免れることができる点でつごうがよいわけである。ただし,この代金では債務額に満たない部分については,債務は存続する。なお,第三取得者は抵当権者の請求に応ずる義務があるわけではない。
→抵当権
執筆者:内田 貴
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
抵当不動産を買入れした者が、抵当権者の請求に応じて、その代金を抵当権者に支払うことによって、自己に課せられる抵当権の負担を免れること。たとえば、甲の乙に対する債権の担保のために乙所有の不動産に抵当権が設定されている場合で、その不動産を丙が乙から買ったときに、甲が丙に対して売買代金を自分に支払うよう請求し、その請求に応じて丙が甲に代金を支払うと、甲の抵当権は丙のために消滅する(民法378条)。すなわち、甲は自分が抵当権者であることを丙に対して主張できなくなる。これを代価弁済という。代金額が甲の債権額に足りない場合でも甲の抵当権は消滅する点に特色がある。
[高橋康之・野澤正充]
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