伊奈長三(読み)いな ちょうざ

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「伊奈長三」の解説

伊奈長三(2代) いな-ちょうざ

1781-1858 江戸時代後期陶工
天明元年生まれ。初代伊奈長三の長男常滑(とこなめ)焼ではじめて轆轤(ろくろ)を使用したひとりとされ,茶器,酒器をつくる。天保(てんぽう)年間に板山土をつかい白泥焼を創始。のち火色焼(藻掛け),火襷(ひだすき)焼を考案した。安政5年6月5日死去。78歳。尾張(おわり)(愛知県)出身。名は長三郎。

伊奈長三(4代) いな-ちょうざ

1841-1924 明治-大正時代の陶工。
天保(てんぽう)12年10月9日生まれ。3代伊奈長三の長男。家業の常滑(とこなめ)焼をつぎ,火色焼,火襷(ひだすき)焼の茶器,酒器をつくる。明治11年ごろ常滑にまねかれた清(中国)の金士恒に師事,中国式急須を製陶した。大正13年4月死去。84歳。尾張(おわり)(愛知県)出身。名は長三郎。

伊奈長三(初代) いな-ちょうざ

1744-1822 江戸時代中期-後期の陶工。
延享元年生まれ。家は尾張(おわり)(愛知県)知多半島で代々常滑(とこなめ)焼の酒がめを製した。長三は茶器や酒器などの小細工物を作陶して一家をなした。文政5年1月5日死去。79歳。名は長三郎。

伊奈長三(3代) いな-ちょうざ

1818-1861 江戸時代後期の陶工。
文政元年生まれ。2代伊奈長三の養子となり,常滑(とこなめ)焼の業をつぐ。文久元年9月9日死去。44歳。尾張(おわり)(愛知県)出身。本姓は鯉江。幼名は佐重。名は長三郎。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内の伊奈長三の言及

【常滑焼】より

…近世の常滑焼は真焼,赤物と呼ばれる日常雑器を主としているが,江戸後期に連房式登窯が導入されて,真焼は登窯で,赤物は大窯で焼かれるようになった。一方,天明年間(1781‐89)に常滑元功斎が出て茶陶の世界が開け,幕末にかけて上村白鷗,赤井陶然,伊奈長三らの名工が輩出して,陶彫,楽焼,白泥,藻がけ釉などに腕をふるった。明治に入ると杉江寿門に代表される朱泥物が勃興して,常滑焼の新分野が開けた。…

※「伊奈長三」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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