休らう(読み)ヤスラウ

デジタル大辞泉 「休らう」の意味・読み・例文・類語

やすら・う〔やすらふ〕【休らう/安らう】

[動ワ五(ハ四)]
休む。休息する。憩う。「ベンチに―・う恋人たち
ためらう。躊躇ちゅうちょする。
気色もなければ、しばし―・ひて帰りぬ」〈かげろふ・中〉
足をとめる。たたずむ。
御佩刀みはかしなどひきつくろはせ給ひて―・はせ給ふに」〈・一二九〉
とどまる。滞在する。
「その頃宋朝よりすぐれたる名医渡って、本朝に―・ふことあり」〈平家・三〉
[動ハ下二]休ませる。ゆるめる。
「貞任くつばみを―・へ」〈著聞集・九〉
[類語]休むいこくつろぐ休息する休憩する一休みする小休止する少憩する一服する一息入れる・骨休めする休養する息をつくリラックス

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「休らう」の意味・読み・例文・類語

やすら・うやすらふ【休】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. どうしようかと迷って、行動に移れないでいる。ためらう。たゆたう。躊躇(ちゅうちょ)する。
      1. [初出の実例]「せちにそそのかし給へど、とかくやすらひて」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
    2. 足を止める。一所に止まってぐずぐずする。たたずむ。
      1. [初出の実例]「『いとなんゆゆしき心ちしはべる』などいへど、けしきもなければ、しばしやすらひてかへりぬ」(出典:蜻蛉日記(974頃)中)
    3. 休んでゆっくりする。休息して様子を見る。
      1. [初出の実例]「ここにやすらはむの御心もふかければうちやすみ給て」(出典:源氏物語(1001‐14頃)椎本)
    4. 仮にとどまっている。旅先で滞在している。
      1. [初出の実例]「宋朝よりすぐれたる名医わたって、本朝にやすらふことあり」(出典:平家物語(13C前)三)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 休ませる。ゆるめる。
    1. [初出の実例]「くつばみをやすらへ、しころをふりむけて」(出典:古今著聞集(1254)九)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

ドクターイエロー

《〈和〉doctor+yellow》新幹線の区間を走行しながら線路状態などを点検する車両。監視カメラやレーザー式センサーを備え、時速250キロ以上で走行することができる。名称は、車体が黄色(イエロー)...

ドクターイエローの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android