憩う(読み)イコウ

デジタル大辞泉 「憩う」の意味・読み・例文・類語

いこ・う〔いこふ〕【憩う/息う】

[動ワ五(ハ四)]ゆったりとくつろぐ。休息する。「緑陰に―・う」
[可能]いこえる
[動ハ下二]休ませる。休める。やわらげる。
「木々の下には、下ごとに翠帳をたれて行客の苦しみを―・へ」〈海道記
[類語]くつろぐリラックス休む休らう休息する休憩する一休みする小休止する少憩する一服する一息入れる・骨休めする休養する息をつく

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精選版 日本国語大辞典 「憩う」の意味・読み・例文・類語

いこ・ういこふ【憩・息】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙 息をつぐ。休息する。休憩する。
    1. [初出の実例]「車を駕(か)け薪を載せ、憩(イコフ)こと无(な)く駈(おひつか)はれ〈興福寺本訓釈 憩 伊己不己止〉」(出典:日本霊異記(810‐824)上)
    2. 「ちといかわうと思ふが、其ならば我汝を呼う時に、答て諾といへ、調法せうと云ぞ」(出典:寛永刊本蒙求抄(1529頃)五)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙 いこうようにする。休息させる。安らかにする。
    1. [初出の実例]「苦を息(イコヒ)、安楽を獲たまひつ」(出典:地蔵十輪経元慶七年点(883)一)
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 [ 二 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「今より以後、三年に至るまでに、悉に課役(おほせつかふこと)を除(や)めて、百姓の苦を息(イコへ)よ」(出典:日本書紀(720)仁徳四年三月(前田本訓))
    2. 「国の政(まつりごと)をも息(い)こへ、物をも吉く納めさせ給て」(出典:今昔物語集(1120頃か)二八)

いこの・ういこのふ【憩】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ハ行四段活用 〙 いこう。休息する。
    1. [初出の実例]「山里はいでいこのへるたもとこに風そよめきて袖しほるなり」(出典:散木奇歌集(1128頃)秋)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙 休める。
    1. [初出の実例]「心少し落居して、人々も身をいこのへ心を延べて侍る程に」(出典:延慶本平家(1309‐10)六末)

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