会津田島祇園祭(読み)あいづたじまぎおんまつり

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「会津田島祇園祭」の意味・わかりやすい解説

会津田島祇園祭
あいづたじまぎおんまつり

福島県南会津町田島の田出宇賀神社(たでうがじんじゃ)と熊野神社例祭。毎年 7月22~24日に行なわれる。かつては天王社の祭りで旧暦 6月15日に行なわれていたが,天王社が明治4(1871)年に田出宇賀神社合祀されたことから田出宇賀神社の祭りとなり,1879年には同じ境内にまつられている熊野神社の例祭にもなった。田出宇賀神社,熊野神社それぞれに氏子各町が 1年交代の輪番で祭りを担うお党屋組を務め,そのなかの 1軒を,神棚に神社から迎えた御幣をまつり神社同様の扱いを受ける,お党屋本(おとやもと)とする。祭りは両社同時に行なわれ,お党屋組一同が身を清めて神社に参る正月のお党屋千度の行事から始まる。7月22日は宵宮祭で,夕刻宮司が行列してお党屋本に出向いて食事をとり,深夜だれにも見られないように 1人で神社に戻る。翌 23日朝,まずお党屋本から供え物の入った行器頭上に載せた花嫁姿の女性などの七行器行列が神社に向かう。その後,御仕度触れと呼ばれる,女物のなどをまとって目立つ格好をした神幸の先触れ役に続いて,神輿渡御となる。神輿がお党屋本に到着すると,路上での神事のあと,宮司は砂を盛ってつくられた御神橋を渡ってお党屋本に入り昼食の接待を受け,帰る際に神棚に供えた米をまく御鉢米(おはちまい)の神事を行なう。最終日の 24日には,お党屋本に宮司が招かれて「神棚(おたな)こわし」があり,来年のお党屋組に道具を引き渡すとともに,御幣を神社に返して太々神楽(だいだいかぐら)を奉納する。また,宵宮祭と本祭の夜には,子供歌舞伎が演じられる 4台の屋台がにぎやかに引き回される。1981年に「田島祇園祭のおとうや行事」として,国の重要無形民俗文化財に指定された。

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