佇む(読み)タタズム

デジタル大辞泉 「佇む」の意味・読み・例文・類語

たたず・む【×佇む/×彳む】

[動マ五(四)]
しばらく立ち止まっている。じっとその場所にいる。「花の下に―・む」
そのあたりをうろつく。
「まだ暁に門のわたりを―・めば」〈堤・貝合
[類語]立つ立ち尽くす突っ立つ起立起こす起きる立てる引き起こす起き上がる立ち上がる直立仁王立ち棒立ち

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「佇む」の意味・読み・例文・類語

たたず・む【佇・彳】

  1. 〘 自動詞 マ行五(四) 〙 ( 後世は「ただずむ」とも )
  2. その所を離れずにいる。そのあたりにしばらくとどまる。そこにじっと立っている。
    1. [初出の実例]「だらにいとたうとう誦みつつ、礼堂にたたずむ法師ありき」(出典:蜻蛉日記(974頃)下)
    2. 「ここにやすらひ、かしこにたたすみ、たづねかぬるぞむざんなる」(出典:平家物語(13C前)一〇)
  3. そのあたりを行きつもどりつする。その辺をうろうろする。ぶらつく。徘徊する。
    1. [初出の実例]「飛ぶ鳥の 飛鳥壮士が 長雨いみ 縫ひし黒沓 さしはきて 庭に立住(たたずめ) まかりな立ちと いさめ少女が」(出典万葉集(8C後)一六・三七九一)
    2. 「例の随身に持たせて、まだ暁に門のわたりをたたずめば」(出典:堤中納言物語(11C中‐13C頃)貝あはせ)
  4. 身を落ちつける。生活の基盤を置く。
    1. [初出の実例]「内証勘当して追出しければ、外に彳亍(タタスム)かたもなく」(出典:浮世草子懐硯(1687)二)

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