起きる(読み)オキル

デジタル大辞泉 「起きる」の意味・読み・例文・類語

お・きる【起きる】

[動カ上一][文]お・く[カ上二]
横になっていたものがからだを起こす。立ち上がる。「転んでもすぐ―・きる」
眠りから覚める。また、目を覚ましてとこを離れる。「毎朝五時に―・きる」
寝ないでいる。目をさましている。「明け方まで―・きていた」
何事かが発生する。起こる。「事故が―・きてからでは遅い」「混乱が―・きる」
[類語](1立つ佇む立ち尽くす突っ立つ起立起こす立てる引き起こす起き上がる立ち上がる直立仁王立ち棒立ち/(2起床離床寝覚め目覚め寝起き朝起き早起き目覚める覚醒かくせいする目を覚ます目が覚める覚める覚ます起こす/(4生まれる起こる生じる湧くきざ発する生起する発生する出来る

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「起きる」の意味・読み・例文・類語

お・きる【起】

  1. 〘 自動詞 カ行上一 〙
    [ 文語形 ]お・く 〘 自動詞 カ行上二段活用 〙
  2. 横になっていたものが立つ。傾いていたものがもとの状態にもどる。
    1. [初出の実例]「地に因りて倒れぬるいは、還りて地に因りて起(オクル)ことを須ゐる」(出典:百法顕幽抄平安中期点(900頃))
    2. 「左右の袖をひろげておきんおきんとすれども、なじかはおきらるべき」(出典:平家物語(13C前)八)
  3. 眠っていたものがめざめる。また、めざめて立つ。寝床を離れる。
    1. [初出の実例]「うつくしと思ふ我妹(わぎも)を夢に見て起(おき)て探るに無きがさぶしさ」(出典:万葉集(8C後)一二・二九一四)
  4. 眠らないでいる。また、横にならないでいる。
    1. [初出の実例]「常人も起(おき)つつ聞くそほととぎすこの暁(あかとき)に来鳴く初声」(出典:万葉集(8C後)一九・四一七一)
  5. 水が来て舟が浮かび出る。
    1. [初出の実例]「二十日〈略〉しほのひてゐたる船の、しほ満ちて浮かぶをば、おくるといふにこそ」(出典:鹿苑院殿厳島詣記(1389))
  6. 穏やかな状態のところに、それを騒がせるような物事が生じる。
    1. [初出の実例]「良三なぞに話したって甲斐がないと思ひながら、ふと起きて来た体内の疼(いた)みを口に洩らした」(出典:人さまざま(1921)〈正宗白鳥〉)
  7. 火気が盛んになる。また、炭に火が移る。「火がおきる」
    1. [初出の実例]「皺だらけの婆さん女中が、真っ赤におきた木炭を火鉢に入れにきた」(出典:ニッポン日記(1951)〈井本威夫訳〉一九四五年一二月二五日)
  8. あるものごとに由来する。端を発する。
    1. [初出の実例]「紋所といふもの、もとは車の紋から起(オ)きたといふ説があるが」(出典:茶話(1915‐30)〈薄田泣菫〉紋)

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