立上がる(読み)タチアガル

デジタル大辞泉 「立上がる」の意味・読み・例文・類語

たち‐あが・る【立(ち)上がる】

[動ラ五(四)]
座ったりかがんだりしている姿勢から身を起こして立つ。「いすから―・る」
よくない状態に陥ったものが再び勢いを取り戻す。「地震痛手から―・る」
行動を起こす。「反対運動に―・る」
上の方に立つ。立ちのぼる。「砂ぼこりが―・る」
相撲で、仕切りから身を起こし、勝負を始める。「制限時間の前に―・る」
機械が動き始める。また、コンピュータープログラムが起動する。「このパソコンは―・るのが速い」
6からの派生》設置される。開設される。「年金記録を審査する第三者委員会が―・る」
[類語](1立つ佇む立ち尽くす突っ立つ起立起こす起きる立てる引き起こす起き上がる直立仁王立ち棒立ち/(4のぼ上がる上昇上り詰める立ちのぼる這い上がるよじ登る駆け上がる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「立上がる」の意味・読み・例文・類語

たち‐あが・る【立上】

  1. 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
  2. すわったりしゃがんだりしていた姿勢からからだを起こしてまっすぐに立つ。身を起こす。起立する。
    1. [初出の実例]「おとどはえたちあがり給はず」(出典:源氏物語(1001‐14頃)葵)
  3. 上の方へあがる。上の方に向かって立つ。もりあがる。また、さかだつ。
    1. [初出の実例]「ただいみじう、うるはしき髪持たらむ人も、みなたちあがりぬべきここちすれ」(出典:枕草子(10C終)二一八)
    2. 「流星なんどの如くに、ほのほ空へたちあがり」(出典:平家物語(13C前)六)
  4. たちまさる。すぐれる。また、いかにも立派である。
    1. [初出の実例]「忠の義のと云、立上りたる理屈が返々いや也」(出典:葉隠(1716頃)一)
    2. 「身形(みなり)も立派になれば気量までも自づと立ちあがり」(出典:花間鶯(1887‐88)〈末広鉄腸〉下)
  5. 相撲で、仕切りが終わって力士がからだを起こす。
    1. [初出の実例]「行司が引く軍扇と共に、勢ひよく立上(タチアガ)って心地よく取組しが」(出典:今弁慶(1891)〈江見水蔭〉一〇)
  6. 行動を開始する。ことをやりはじめる。
    1. [初出の実例]「去ば我等が悪より善に立揚り」(出典:ぎやどぺかどる(1599)上)
  7. 勢いをもりかえす。うちひしがれていたものが元気をとりもどす。
  8. 世の中に身をたてる。立身出世する。
    1. [初出の実例]「時のまにたち上(アガ)りし身代なりしが」(出典:別れ霜(1892)〈樋口一葉〉二)
  9. 機械が動き始める。また、コンピュータのプログラムが起動する。

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