佐々木象堂(読み)ササキ ショウドウ

20世紀日本人名事典 「佐々木象堂」の解説

佐々木 象堂
ササキ ショウドウ

明治〜昭和期の鋳金家



生年
明治15(1882)年3月14日

没年
昭和36(1961)年1月26日

出生地
新潟県佐渡郡金井町

本名
佐々木 文蔵

学歴〔年〕
河原田小学校〔明治30年〕卒

主な受賞名〔年〕
帝展特選〔昭和2年・4年〕「孔雀香炉」「鳳凰置物」,日本伝統工芸展文部大臣賞〔昭和33年〕,日本伝統工芸展日本工芸会総裁賞〔昭和34年〕「瑞鳥置物」

経歴
19歳で佐渡の初代宮田藍堂の門に入り、蠟型鋳造を学んだ。明治40年独立。大正2年上京、農展、帝展などに出品。昭和2年帝展に「鋳銀 孔雀の香炉」を出品して特選になった。戦争中は佐渡に疎開陶芸を制作したが、戦後は日展や日本伝統工芸展に出品。晩年、次々に名作を発表、76歳で発表した「鋳銅 瑞鳥置物」は後、新宮殿の正殿棟飾のデザインのもとになった。35年重要無形文化財保持者に認定された。

出典 日外アソシエーツ「20世紀日本人名事典」(2004年刊)20世紀日本人名事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「佐々木象堂」の意味・わかりやすい解説

佐々木象堂
ささきしょうどう
(1882―1961)

鋳金家。新潟県佐渡生まれ。本名文蔵。1901年(明治34)同郷の初代宮田藍堂(らんどう)について蝋(ろう)型鋳造を学んだ。13年(大正2)上京し、日本美術協会展などに出品してつねに上位の賞を得、27年(昭和2)帝展出品の「鋳銀孔雀(くじゃく)香炉」、29年同展出品の「金銅鳳凰(ほうおう)置物」がともに特選となった。この間、1925年には美術工芸振興を目的とする工芸済々会に入会し、翌26年には近代意匠の樹立を目ざす无型(むけい)会の結成にも参画している。第二次世界大戦後、日本伝統工芸展へ出品した『瑞鳥(ずいちょう)』(1958)、『采花(さいか)』(1959)がいずれも最高賞を受け、60年(昭和35)蝋型鋳造技術部門で重要無形文化財保持者に認定された。作品は、題材を大胆にデフォルメした斬新(ざんしん)な形態をみせたものが多い。

[原田一敏]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

デジタル版 日本人名大辞典+Plus 「佐々木象堂」の解説

佐々木象堂 ささき-しょうどう

1882-1961 明治-昭和時代の鋳金家。
明治15年3月14日生まれ。初代宮田藍堂に蝋型(ろうがた)鋳造をまなび,工芸済々会に入会。帝展で「鋳銀孔雀(くじゃく)香炉」「金銅鳳凰(ほうおう)置物」が特選となる。戦後,日本伝統工芸展に出品。昭和35年人間国宝。昭和36年1月26日死去。78歳。新潟県出身。本名は文蔵。

出典 講談社デジタル版 日本人名大辞典+Plusについて 情報 | 凡例

367日誕生日大事典 「佐々木象堂」の解説

佐々木 象堂 (ささき しょうどう)

生年月日:1882年3月14日
明治時代-昭和時代の鋳金家
1961年没

出典 日外アソシエーツ「367日誕生日大事典」367日誕生日大事典について 情報

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android