大正・昭和期の社会運動家,経済学者,歴史学者 日本共産党中央委員長;労農前衛党委員長;早稲田大学商学部教授。
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社会運動家、歴史学者。大分県生まれ。1917年(大正6)東京帝国大学法学部政治学科卒業後、2年間大学院で農政学を学ぶ。その後、満鉄東亜経済調査局嘱託を経て、20年早稲田(わせだ)大学講師となる。この間、1918年には新人会の創立に参加。20年には全国坑夫組合を創立、早大文化会、建設者同盟、暁民会(ぎょうみんかい)の指導にあたった。また21年7月雑誌『解放』に執筆した「特殊部落民解放論」は反響をよび、全国水平社結成に影響を及ぼした。22年日本共産党に入党、中央委員となった。23年6月共産党の第一次検挙直前にソ連に逃れ、コミンテルン第5回大会に代議員として出席。25年共産党再建のための上海(シャンハイ)会議に参加ののち帰国、『無産者新聞』を創刊した。26年第一次共産党事件で10か月下獄。27年(昭和2)コミンテルン第6回大会に出席、常任執行委員に選ばれコミンテルン本部で活動。29年6月上海で検挙、送還される。31年、32年の公判闘争を指導するが、33年6月鍋山貞親(なべやまさだちか)と連名で転向を声明、コミンテルンと日本共産党を排撃し、天皇制下での「一国社会主義」を唱えた。これが大量転向のきっかけとなった。以後、獄中で東洋思想の研究に打ち込み、43年満期出獄した。第二次世界大戦後は早大教授。46年労農前衛党を結成、47年日本政治経済研究所を創立。反ソ反共の民族社会主義の立場で運動した。
[北河賢三]
『佐野学著作集刊行会編・刊『佐野学著作集』全5巻(1958)』
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昭和初期の日本共産党指導者。大分県に生まれる。東京帝国大学法学部卒業。早稲田大学講師となる。1921年雑誌《解放》の論文〈特殊部落民解放論〉は反響大きく,全国水平社創立の契機となった。22年共産党に入党し常任幹事。25年共産党再建のための〈上海テーゼ〉決定に参加し,帰国後《無産者新聞》主筆となった。再建共産党の福本イズムが27年テーゼで批判されたのち委員長に就任。28年にはコミンテルン常任委員となった。翌年上海で逮捕され,共産党の中央統一公判では裁判闘争を指導した。33年鍋山貞親と共同で天皇制下の一国社会主義を主張する転向声明を発表し,センセーションをまきおこした。敗戦後46年早大に復帰,一方,日本政治経済研究所を創設し,反共的な一国社会主義の運動をつづけた。
執筆者:吉見 義明
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1892.2.22~1953.3.9
大正・昭和期の共産党指導者。大分県出身。東大卒。満鉄嘱託から早稲田大学講師。共産党結成に参加,1923年(大正12)第1次共産党事件ではソ連に逃れ,党再建の「上海テーゼ」作成に参加,帰国後「無産者新聞」創刊,主筆。27年テーゼで党委員長。28年(昭和3)コミンテルン第6回大会に出席,29年上海で逮捕された。3・15事件,4・16事件の統一公判を指導,33年鍋山貞親との転向声明は深刻な影響を与えた。第2次大戦後,労農前衛党を結成,早稲田大学教授に復帰。
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…広くは,ある個人の信念・行動が圧迫強制によって方向転換することを指すが,一般には,共産主義思想を放棄すること。その個別的事例はしばしばみられるところであるが,歴史的事件としての転向は,1933年6月,当局に拘束されていた日本共産党幹部佐野学と鍋山貞親が,コミンテルンの方針を拒否し,民族主義と天皇制に立脚する〈一国社会主義〉の建設を説く〈獄中からの転向声明〉を発するに及んで,多くの共産党員が引き続き集団的に転向した事例を指す。この事件は当時の共産主義運動にきわめて大きな打撃を与え,社会的にも反響を呼んだ。…
…しかし被差別部落の人々は,米騒動とその後の社会運動の発展,またロシア革命や民族自決の思想の影響もあって,人間の誇りと勤労者の自覚を強め,恩恵的な部落改善や欺瞞(ぎまん)的な同情融和を批判して,自主的な解放の必要を強く意識するようになった。21年,当時,社会主義者で早大教授の佐野学が雑誌《解放》に発表した《特殊部落民解放論》は,被差別部落出身者自身の自主的な解放運動と,無産者運動との連携の必要を主張して,この方向をめざす被差別部落の人々に強い刺激を与えた。
[水平社運動の展開]
こうして1922年3月3日,〈6000部落300万人〉の解放をめざす全国水平社の創立大会が京都で開かれ,部落解放運動の本格的な歩みが開始された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
各省の長である大臣,および内閣官房長官,特命大臣を助け,特定の政策や企画に参画し,政務を処理する国家公務員法上の特別職。政務官ともいう。2001年1月の中央省庁再編により政務次官が廃止されたのに伴い,...
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