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弾性係数 だんせいけいすうelastic modulus; modulus of elasticity

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

弾性係数
だんせいけいすう
elastic modulus; modulus of elasticity

弾性体の比例限度内では応力ひずみは比例し,その間の比例定数は物質特有の値をとる(温度によって変わる)。この値を物理学では弾性率,弾性定数などと呼び,工学では弾性係数という。一般の弾性体では 36個の比例定数が存在するが,等方・等質の場合には 2個となり,ラメの定数と呼ばれる λ,μがその例になる。しかし,λは物理的意味をもたないので,工学ではもっぱら次の弾性係数を用いる。(1) 縦弾性係数またはヤング率 E 伸び弾性率ともいい,棒材を引っ張るときのように,単軸の垂直応力 σと縦ひずみ εの比例関係 σ=Eεを表す定数。(2) 横弾性係数,剛性率または剪断弾性係数 G 丸棒をねじるときのように,剪断応力 τと剪断ひずみ γの比例関係 τ=Gγを表す定数。(3) 体積弾性係数 K 水中に置かれた直方体の体積変化のように,各側面に作用する垂直応力の平均値 σm と,体積ひずみ εv(単位体積あたりの体積変化。体積膨張率ともいう)の比例関係 σmKεv を表す定数。ここで,σm は平均応力または静水圧応力とも呼ばれ,各垂直応力を σ1,σ2,σ3とすれば,σm=(σ1+σ2+σ3)/3で与えられる。(4) ポアソン比 ν 丸棒を伸長すれば,軸方向に伸びるとともに直径は細くなる。いま,軸方向のひずみを縦ひずみ ε,直径方向のひずみを横ひずみ -ε'とし,その比に負号をつけた値すなわち ν=-ε'/εをポアソン比,その逆数 1/νをポアソン数という。νの値は 0.5より大きくはならない。これらの係数の間には関係式 E=2G(1+ν)=3K(1-2ν)があるから,いずれか二つの測定値がわかれば,ほかは計算によって求められる。

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世界大百科事典 第2版の解説

だんせいけいすう【弾性係数 elastic coefficient】

固体のひずみと応力は,ひずみが小さいときはほぼ比例関係にある(フックの法則)。この比例係数を弾性係数,または弾性率modulus of elasticityという。応力の成分,ひずみの成分はそれぞれ6個あるので,弾性係数の数は36個あることになるが,応力,ひずみは対称テンソルであるから,独立な係数の数はもっとも一般的な場合21個である。結晶の対称性が増すと独立な係数の数が減り,対称性のもっとも大きい立方晶系では3個となり,さらに等方的な物質では2個になる。

出典 株式会社平凡社世界大百科事典 第2版について 情報

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