(読み)ブ

デジタル大辞泉 「侮」の意味・読み・例文・類語

ぶ【侮】[漢字項目]

常用漢字] [音](漢) [訓]あなどる
ばかにする。あなどる。「侮言侮辱侮蔑ぶべつ外侮軽侮

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「侮」の意味・読み・例文・類語

あなずらわあなづらはし【侮】

〘形シク〙
① たいして尊重する必要がない。とかく馬鹿にしたく思う。軽蔑したい。
※枕(10C終)二四「まめやかに、えせざいはひなど見てゐたらん人は、いぶせくあなづらはしく思ひやられて」
② 遠慮しないでよい。気がおけない。
※宇津保(970‐999頃)俊蔭「童にもあれば、すこしあなづらはしくやおぼえけむ」
あなずらわし‐げ
〘形動〙
あなずらわし‐さ
〘名〙

あなど・る【侮】

〘他ラ五(四)〙 他人を見下げてばかにする。軽蔑する。みくびる。あなずる。
※新撰字鏡(898‐901頃)「傲 阿奈止留 又志乃久 又也志牟」
太平記(14C後)三五「災変起れば国土乱る。是上慎まず、下慢(アナト)る故也」
[語誌]上代・中古は、「あなづる」が優勢で、それが古形であると言われる。中世になり、次第に「あなどる」の用例が増加する。室町末の抄物類や「甲陽軍鑑」などでは併用されているが、「天草本平家物語」や「天草本伊曾保物語」などのキリシタン資料には「あなどる」だけが見え、「あなづる」はこの頃を境に衰えていったと考えられる。ただし、「日葡辞書」には両形見えるが「あなどる」の方がまさる旨の記述がある。

あなず・る あなづる【侮】

〘他ラ四〙 (「あなどる(侮)」の古形) 馬鹿にする。軽蔑する。あなどる。
霊異記(810‐824)上「皆心を同じくして凌ぎ蔑(アナツリ)て曰はく〈興福寺本訓釈 蔑 安奈都利天〉」
※枕(10C終)二七「人にあなづらるるもの。築土のくづれ。あまり心よしと人にしられぬる人」
[語誌]→「あなどる(侮)」の語誌

あなずり あなづり【侮】

〘名〙 (動詞「あなずる(侮)」の連用形名詞化) あなどること。軽蔑すること。あなどり。
古事談(1212‐15頃)四「家人以下あなづりもぞし侍るとて作眼躰保由

あなどり【侮】

〘名〙 (動詞「あなどる(侮)」の連用形の名詞化) 他を見下げてばかにすること。軽蔑。〔日葡辞書(1603‐04)〕
※伊蘇普物語(1873)〈渡部温訳〉一一狎昵(こころやすだて)は軽侮(アナドリ)を生ず」

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報

今日のキーワード

自動車税・軽自動車税

自動車税は自動車(軽自動車税の対象となる軽自動車等および固定資産税の対象となる大型特殊自動車を除く)の所有者に対し都道府県が課する税であり、軽自動車税は軽自動車等(原動機付自転車、軽自動車、小型特殊自...

自動車税・軽自動車税の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android