備わる(読み)ソナワル

デジタル大辞泉 「備わる」の意味・読み・例文・類語

そなわ・る〔そなはる〕【備わる/具わる】

[動ラ五(四)]
必要なものが不足なくそろい、整っている。また、設備装置などが用意してある。「公共施設の―・った都市」「全室にスプリンクラーが―・っている」
生まれながらに自分のものとしてもっている。ある才能性質が身についている。「気品が―・る」「生まれついて―・った才能」
(「…にそなわる」の形で)その地位に就く。
「十六にて后妃の位に―・り」〈平家灌頂
[動ラ下二]1に同じ。
「―・れし玉の小櫛をさしながら」〈後拾遺哀傷
[類語]揃う整う

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「備わる」の意味・読み・例文・類語

そなわ・るそなはる【備・具】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ラ行五(四) 〙
    1. 物・状態・条件などがそろい、ととのっている。それらを具備し、よい状態になっている。
      1. [初出の実例]「百千の事業悉く皆周く備(ソナハラ)む」(出典:西大寺本金光明最勝王経平安初期点(830頃)一八)
    2. 生まれつき持っている。もともと身につけている。
      1. [初出の実例]「三十二相もよくそなはり給ひて、仏の御身をば得給へるなどの給ふ程に」(出典:狭衣物語(1069‐77頃か)四)
      2. 「そなはっての利発人」(出典:浮世草子・好色一代男(1682)六)
    3. 身につく。自分のものとなる。
      1. [初出の実例]「学業該(ソナハリ)(ゆたか)に、儀韻淹く深きを以て」(出典:大慈恩寺三蔵法師伝永久四年点(1116)六)
    4. ( 「…にそなわる」の形で ) その地位につく。その位に列する。
      1. [初出の実例]「貴き家より生れ、重き位に備はりたっしかど」(出典:観智院本三宝絵(984)序)
    5. 神仏や貴人などへの供え物となる。
      1. [初出の実例]「天道に奉る、あるひは国王にそなはる物も、まづわれさきになめこころむ」(出典:仮名草子・伊曾保物語(1639頃)中)
  2. [ 2 ] 〘 自動詞 ラ行下二段活用 〙 [ 一 ]に同じ。
    1. [初出の実例]「そなはれし玉のをぐしをさしながらあはれかなしき秋にあひぬる〈山田中務〉」(出典:後拾遺和歌集(1086)哀傷・五四八)

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