整う(読み)トトノウ

デジタル大辞泉 「整う」の意味・読み・例文・類語

ととの・う〔ととのふ〕【整う/調う/斉う】

[動ワ五(ハ四)]
必要なものがすべてそろう。「材料が―・う」「準備が―・う」
きちんとまとまった状態や形になる。調和がとれる。「体裁が―・う」「―・った顔だち」
交渉相談がまとまる。「縁談が―・う」「契約が―・う」
[動ハ下二]ととのえる」の文語形
[補説]多く2は「整う」、13は「調う」と書く。
[類語]揃う備わる出来る出来上がる仕上がる成るまとまる済む上がる完成する完了する成り立つ仕上げる格好がつく様になる型にはまる枠にはまる

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「整う」の意味・読み・例文・類語

ととの・うととのふ【整・調・斉】

  1. [ 1 ] 〘 自動詞 ワ行五(ハ四) 〙
    1. 秩序のある状態になる。調和がとれる。均整がとれる。きちんとする。また、楽器などの調子が合う。
      1. [初出の実例]「この琴どもはいかでつくりしぞ。〈略〉七つながらおなじこゑにはいかでととのひたるぞ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)俊蔭)
      2. 「人がらもあるべきかぎりととのひて」(出典:源氏物語(1001‐14頃)紅葉賀)
    2. 不足なくそろう。完備する。備わる。そろう。また、用意ができる。
      1. [初出の実例]「よろづにととのひたまへるに、和歌のかたやすこしおくれたまへりけん」(出典:大鏡(12C前)三)
    3. ぐあいのよい状態になる。望むようにしあがる。うまくいく。できあがる。成立する。
      1. [初出の実例]「みな御かたがたととのひてすみ給ふ」(出典:宇津保物語(970‐999頃)沖つ白浪)
      2. 「おまんの世話で、その方にお粂の縁談がととのひ」(出典:夜明け前(1932‐35)〈島崎藤村〉第二部)
  2. [ 2 ] 〘 他動詞 ハ行四段活用 〙ととのえる(整)
    1. [初出の実例]「又竊かに六千の兵を発し等等乃(トトノヒ)」(出典:続日本紀‐天平宝字八年(764)一〇月九日・宣命)
  3. [ 3 ] 〘 他動詞 ハ行下二段活用 〙ととのえる(整)

整うの補助注記

同じ意に用いられる自動詞に「ととのおる」が古くあり、他動詞としては、下二段(下一段)活用の方が多く用いられる。

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