備中鍬(読み)ビッチュウグワ

デジタル大辞泉 「備中鍬」の意味・読み・例文・類語

びっちゅう‐ぐわ〔‐ぐは〕【備中×鍬】

刃の部分を2本から5本のくし歯状とした鍬。水田の荒起こしなどに使う。

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精選版 日本国語大辞典 「備中鍬」の意味・読み・例文・類語

びっちゅう‐ぐわ‥ぐは【備中鍬】

  1. 〘 名詞 〙 二本から五本までの歯のある鍬。水田の荒起こしなどに用いる。
    1. 備中鍬〈農具便利論〉
      備中鍬〈農具便利論〉
    2. [初出の実例]「びっちうぐはに魚籠(めかご)提、身のすぎはひと夕凪に、夫婦つれ立出にけり」(出典:浄瑠璃・国性爺合戦(1715)二)

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「備中鍬」の意味・わかりやすい解説

備中鍬
びっちゅうぐわ

土との摩擦面を少なくするため刃床部が数本に分かれている鍬で、水田、粘土質土壌の耕うんに適したものである。江戸時代中期に出現し、刃部の数により二本備中鍬、三本備中鍬、四本備中鍬、五本備中鍬がある。また刃の先端部が広がり、ばち形をしたばち付き備中鍬があるが、もっとも普及したものは三本備中鍬であった。

小林 正]


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百科事典マイペディア 「備中鍬」の意味・わかりやすい解説

備中鍬【びっちゅうぐわ】

江戸時代から用いられた田の荒起し用の鍬。刃床部は2〜5本に分かれた熊手状で,地方により形は多少異なる。18世紀以降,小農自立の進展とともに牛馬をもたない小農生産に最も適した深耕用具として広く普及した。万能(まんのう)と呼ぶこともある。
→関連項目

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山川 日本史小辞典 改訂新版 「備中鍬」の解説

備中鍬
びっちゅうくわ

刃を3本あるいは4本もった鍬の総称。おもに田の荒起しや甘藷の掘りとりに使われ,マンノウ(万能)とか,刃の本数によって三本鍬・四本鍬ともよぶ。江戸後期に鍬を軽くすることを目的板鍬が改良されたものだが,刃がわかれた鍬はすでに木製股鍬弥生時代に使われていた。

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旺文社日本史事典 三訂版 「備中鍬」の解説

備中鍬
びっちゅうぐわ

江戸時代盛んに使用された荒起こし用の打ち鍬
鍬を軽くするため刃が数本に分かれ,刃と柄との角度が大きい。備中鍬の使用により深耕が可能となり開墾が進み,生産力増大をもたらした。形により窓鍬・三本鍬・万能などともいう。

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