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優生学 ゆうせいがくeugenics

翻訳|eugenics

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

優生学
ゆうせいがく
eugenics

遺伝学的に人類をよりよくすることを目的として起った応用生物科学。すなわち世代を重ねながら遺伝的に有利な素質が発展し,生存にとって有害な素質が少くなるようにはかるもので,近代的な優生学的運動は F.ゴルトンに始る (1883) 。これに対し人類は遺伝素質の改革よりも環境,教育の改良に重点をおいてよりよくすべきだという主張があるが,これを優境学 euthenicsという。また有害遺伝子を受取っても,これが表現型として現れないようにすることも可能な場合がある。たとえばフェニルケトン尿症を遺伝した患者に,食物中のフェニルアラニン含量を押えるなどである。こうした対策の研究を,優生学と対比して,優表現学という意味で euphenicsという。優生学的な方策を強く主張することは,個人間に優劣の価値づけの差別を設けるものだとの指摘がある。

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百科事典マイペディアの解説

優生学【ゆうせいがく】

人類の遺伝的構成の改善を目指して劣悪な遺伝形質の淘汰,優良な遺伝形質の保存・増加について研究する学問として,1883年英国のF.ゴールトンが提唱。社会ダーウィニズムの一変形。アメリカおよびナチス時代のドイツで一時期影響力をもち,断種法を生んだ。
→関連項目衛生学ゴルトン社会ダーウィニズム

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世界大百科事典 第2版の解説

ゆうせいがく【優生学 eugenics】

優生学とは,C.ダーウィンの従弟であるF.ゴールトンが1883年につくり出した言葉で,ギリシア語の〈よい種(たね)〉に由来する。1904年の第1回イギリス社会学会で彼は《優生学――その定義,展望,目的》という有名な講演を行い,ここでその学問を,〈ある人種の生得的質の改善に影響を及ぼすすべての要因を扱う学問であり,またその生得的質を最善の状態に導こうとする学問〉と定義した。したがって優生学には理論上,結婚制限,断種,隔離等により望ましくない遺伝因子を排除しようとする〈消極的〉優生学と,税制優遇や法的強制により望ましい遺伝因子をもつ人間の多産や早婚を奨励する〈積極的〉優生学がありうることになる。

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大辞林 第三版の解説

ゆうせいがく【優生学】

人類の遺伝的素質を向上または減退させる社会的要因を研究して、悪性の遺伝的素質を淘汰し改善をはかることを目的とした応用遺伝学の一分野。1883年イギリスの遺伝学者 F =ゴールトンが提唱。ユージェニックス。

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世界大百科事典内の優生学の言及

【ゴールトン】より

…イギリスの遺伝学者,統計学者,優生学者。バーミンガムの生れ。…

※「優生学」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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