ゴルトン(読み)ごるとん(英語表記)Sir Francis Galton

デジタル大辞泉 「ゴルトン」の意味・読み・例文・類語

ゴルトン(Francis Galton)

[1822~1911]英国人類遺伝学者。医学を修めたが、いとこのC=ダーウィン影響遺伝現象に関心を持ち、人間能力が遺伝性であることを指摘。1883年、優生学を提唱し、その創始者となった。ゴールトン

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精選版 日本国語大辞典 「ゴルトン」の意味・読み・例文・類語

ゴルトン

  1. ゴールトン

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ゴルトン」の意味・わかりやすい解説

ゴルトン
ごるとん
Sir Francis Galton
(1822―1911)

イギリスの人類遺伝学者。バーミンガムに生まれ、バーミンガム病院、キングズ・カレッジ、ケンブリッジ大学などで学んだ。20代から30代にかけて、スーダンその他の西南アフリカ地方の探検旅行を行い、また30代には北スペインを訪ね、それらの旅行記を著した。その後、気象学の研究に転じたが、進化論で有名な、母方のいとこのC・ダーウィンの『種の起原』に刺激されて、人類遺伝学の研究を始め、統計学をヒトの量的形質の遺伝に適用した研究を行った。また人類の遺伝的改良に熱意をもち、自身が1883年に優生学eugenicsと名づけた学問分野の創始者となった。後年私財を投じてつくった、ロンドン大学の優生学研究室は、その後、ゴルトン研究室とよばれて、1996年に生物学科の一部となった。

 ヒトの身長や才能などの計量的形質に統計学を適用して行った遺伝の研究から、今日統計学の分野で重要な、回帰相関概念を生み出すなど、生物統計学の基礎を築いた。彼が協力者とともに始めた、生物統計学の学術雑誌Biometrika』(1901年創刊)は、生物統計学、計量統計学、数理統計学などの分野の由緒あるもっとも重要な雑誌の一つとして今日まで続いている。

[井山審也]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ゴルトン」の意味・わかりやすい解説

ゴルトン
Galton, Sir Francis

[生]1822.2.16. バーミンガム,スパークブルック
[没]1911.1.17. ロンドン近郊
イギリスの遺伝学者で,優生学の創始者。 C.ダーウィンの従弟にあたり,その著書の刺激で遺伝の研究に進み,統計学的方法を人類学や心理学に導入した。 1869年,天才についての研究を発表し,遺伝的根拠を提示したが,個人の成長における社会的環境の役割を過小評価する傾向を示した。また一卵性双生児の研究を拠点として,遺伝法則を人類の改良に応用する優生学を提唱した。実験心理学においては犯罪者の認定に初めて重ね撮り写真と指紋を採用した。南西アフリカの奥地を探検,旅行記を著わしたり,気象学を研究して逆サイクロンという新語をつくって,その重要性を説いたりした。 1909年ナイトに叙せられた。遺産はロンドン大学に遺贈されて「ゴルトン優生学研究所」が開設された。主著に『天才の遺伝』 Hereditary Genius (1869) ,『才能の研究』 Inquiries into Human Faculty (83) ,『優生学について』 Essays in Eugenics (1909) がある。

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百科事典マイペディア 「ゴルトン」の意味・わかりやすい解説

ゴルトン

英国の遺伝学者。C.ダーウィンのいとこ。ロンドン,ケンブリッジ両大学などで学ぶ。《遺伝的天才》(1869年)を著して優生学の重要性を唱え,連想,共感覚など実験心理学的研究もある。優生学,人類遺伝学,生物統計学などの創設者。
→関連項目ダーウィン

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