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母体保護法 ぼたいほごほう

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

母体保護法
ぼたいほごほう

旧「優生保護法」に代るものとして,1996年に制定,公布された法律。母性の生命と健康を保護することを目的とし,そのために一定の条件をそなえた場合には不妊手術または人工妊娠中絶を認めたものである。

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出典|ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典
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知恵蔵2015の解説

母体保護法

1948年制定の優生保護法は、「不良な子孫の出生を防止する」という優生思想に基づいていた。しかし近年、妊娠によって母親の健康が害されることを防ぐため、合法的に人工妊娠中絶を行うことを主な目的として見直し、96年6月に母体保護法に改正した。しかし、「配偶者の同意がなければ中絶できない」など、リプロダクティブ・ライツ(女性の体への自己決定権である「性と生殖に関する権利」)に抵触しかねない条項が残され、「女性の権利の保障」がないと批判が続出。また、胎児の異常が出生前に診断された場合は妊娠中絶の適用とされていないが、こうした場合に妊娠中絶を認める胎児条項を法律に加えようという動きもある。しかし、障害を持った人間の存在を否定することにもなり、また全ての胎児を選別する危険性を抱えてもいる。

(安達知子 愛育病院産婦人科部長 / 2007年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵2015」
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デジタル大辞泉の解説

ぼたいほご‐ほう〔‐ハフ〕【母体保護法】

母体の健康と生命を保護することを目的とし、不妊手術人工妊娠中絶などについて規定する法律。平成8年(1996)優生保護法を改正・改題して成立。改正時、旧法の条文から優生思想に基づく部分の削除、優生手術から不妊手術への言い換えなどがなされた。

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百科事典マイペディアの解説

母体保護法【ぼたいほごほう】

母性の生命健康の保護を目的とする法律。1948年公布の優生保護法を1996年の改正により改称。制限つきで不妊手術,人工妊娠中絶(人工流産)を認め,受胎調節の指導につき規定。
→関連項目出生前診断性転換手術堕胎

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世界大百科事典 第2版の解説

ぼたいほごほう【母体保護法】

母性の生命健康を保護することを目的とし,不妊手術,人工妊娠中絶および受胎調節の実地指導について定める法律。1996年の改正で優生保護法から母体保護法へと改称された。 不妊手術とは,生殖腺を除去することなしに生殖を不能にする手術のうち命令をもって定められたものをいう(2条2項)。同法は,次のいずれかに該当する者に対して,本人および配偶者(届出をしないが事実上婚姻関係と同様な事情にある者を含む,以下同じ)の同意を得て,医師が不妊手術を行うことを認める。

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大辞林 第三版の解説

ぼたいほごほう【母体保護法】

母体の生命・健康の保護を目的とし、不妊手術・人工妊娠中絶に関する事項を定める法律。従来の優生保護法(1948年制定)の規定のうち不良な子孫の出生を防止するという優生思想に基づく部分が障害者に対する差別となっていたことから、1996年(平成8)に改正・改称された。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

母体保護法
ぼたいほごほう

1948年(昭和23)に制定された優生保護法のうち、優生思想に基づく部分を削除する改正を行い、題名を母体保護法に改めたもの。1996年(平成8)9月施行。優生保護法は、優生学的に劣悪とされる遺伝を防止する目的の不妊手術を認めるとともに、人口急増対策と危険なヤミ堕胎の防止のため人工妊娠中絶の一部を合法化したものであり、その内容の是非をめぐってはそれまでも幾度か議論があった。優生思想に基づく部分は障害者差別となっていることなどから、障害者団体等からその改正が強く要望されており、人工妊娠中絶に関する部分はリプロダクティブ・ヘルス/ライツ(性と生殖に関する健康と権利)の観点から、女性の身体についての自己決定権の問題として、女性議員や市民グループから高い関心が寄せられていた。1996年の改正はこのうち、優生思想に基づく部分の改正を行ったものである。(1)法律の目的から、「優生上の見地から不良な子孫の出生を防止する」を削る、(2)「優生手術」を「不妊手術」とし、遺伝性疾患等の防止のための不妊手術に関する規定や精神障害者に対する本人同意によらない不妊手術に関する規定を削る、(3)人工妊娠中絶の規定から遺伝性疾患等の防止のためのものを削る、(4)都道府県優生保護審査会および優生保護相談所を廃止する、などがおもな内容。しかし、母体保護法という題名は不妊の女性や子供を産まない女性を除外する、人工妊娠中絶についての配偶者の同意の条項など、性と生殖の権利にかかわる部分の改正が行われなかったなど、不満の声も少なくない[浅野一郎・浅野善治]

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