元締め(読み)モトジメ

デジタル大辞泉 「元締め」の意味・読み・例文・類語

もと‐じめ【元締め】

金銭勘定仕事などの全体を締めくくること。また、その役の人。
博徒ばくとなどが、その親分をいう呼び方。

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「元締め」の意味・読み・例文・類語

もと‐じめ【元締・元〆】

  1. 〘 名詞 〙
  2. 一つに統括して締めくくること。また、その任にあたる人。たばね役。たとえば、同業者組合の統括者。
    1. [初出の実例]「右に付今に於て糸割符元〆とて、総年寄中長崎え下向有之候事」(出典堂島旧記‐一・元和二年(1616)九月二〇日)
  3. 金銭の勘定などにつき、おおもとの取り締まりをすること。また、その人。
    1. [初出の実例]「奥・坂東の本じめして、秋田坂田蝦夷八丈迄売つつ買ふつの人商売」(出典:浄瑠璃・双生隅田川(1720)三)
  4. 江戸幕府の職名。代官所属の手付・手代のうち上席のもの。定員一~二名。代官を補佐し、勧農納租帳簿出納聴訟断獄、警察など、一切の事務を総理したもの。
    1. [初出の実例]「元〆え取立候ものは手附手代之無差別、人物可相撰者勿論之事に候」(出典:牧民金鑑‐三・手附手代・天保七年(1836)二月一六日)
  5. 江戸幕府の職名。寄場(よせば)奉行に属する寄場元締役の略称。佃島人足寄場の庶務を主宰したもの。寛政二年(一七九〇)設置。配下に寄場下役がいた。
  6. 江戸幕府の職名。勘定所に属する普請役元締の略称。堤防・道路・橋梁などの修築をつかさどったもの。普請役中から選ばれ、八十俵三人扶持。支配勘定格。定員三~四人。
    1. [初出の実例]「自今右寄目録、掛り御普請役並元〆印形に而為差出」(出典:牧民金鑑‐一〇・御普請・宝暦四年(1754)四月)
  7. 江戸初期、大坂町役人。のちの惣年寄にあたるもの。大坂町奉行が由緒ある家柄町人から選出し、町割・地子銀の徴収その他町政をつかさどらせたもの。
    1. [初出の実例]「町々年寄も元〆より被極候」(出典:堂島旧記‐一・元和二年(1616)九月二〇日)
  8. 博打打(ばくちうち)などの親分。→筒元(どうもと)

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