デジタル大辞泉 「先天性筋ジストロフィー」の意味・読み・例文・類語 せんてんせい‐きんジストロフィー【先天性筋ジストロフィー】 出生時あるいは生後数か月以内に筋力や筋緊張の低下などの症状がみられる進行性筋ジストロフィーの総称。常染色体潜性遺伝をとり、男女ともに発症する。日本では福山型先天性筋ジストロフィーが最も多い。CMD(congenital muscular dystrophy)。 出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例
家庭医学館 「先天性筋ジストロフィー」の解説 せんてんせいきんじすとろふぃーふくやまがた【先天性筋ジストロフィー(福山型) Congenital Muscular Dystrophy】 [どんな病気か] 先天性筋ジストロフィーには、いくつかのタイプが報告されています。もっとも頻度が高いのは、日本で報告された福山型先天性筋ジストロフィーですので、これについて解説します。 福山型先天性筋ジストロフィーは、常染色体劣性遺伝病(じょうせんしょくたいれっせいいでんびょう)(表「筋ジストロフィーの分類」)で、男女ともに発症します。 [症状] フロッピーベビー(フロッピーインファント(コラム「フロッピーインファント」))として発症します。生まれたときから明らかな関節拘縮(こうしゅく)(関節がかたまり、曲げ伸ばしができない)がみられます。 脳を含む中枢神経系(ちゅうすうしんけいけい)の異常をともないます。多くは、歩くことができず、知能の低下も著明で、てんかんをともなうことも少なくありません。 幼児期に嚥下性肺炎(えんげせいはいえん)(誤って飲食物などを気管のほうへ入れてしまうためにおこる肺炎)を併発して死亡することが多いのですが、この時期をのりきると、20歳代まで生き伸びることもめずらしくありません。 [検査と診断] 脳をCTで撮影して中枢神経系の異常の有無を確かめ、筋肉を微量採取し、筋生検(きんせいけん)(筋肉の組織を顕微鏡でみて、異常の有無を調べる検査)を行ないます。 最近、19番染色体に異常があることが証明されたので、遺伝子診断が可能になりました。 [治療] 関節を動かせるようにするための関節マッサージがたいせつです。 年齢が進むにしたがって、いつもたんが出るようになるので、体位性(たいいせい)ドレナージ(たんが出やすくなる姿勢)を行なって、たんを出すようにすることもたいせつです。 根本的な治療法は、まだありません。 出典 小学館家庭医学館について 情報