光速度不変の原理(読み)コウソクドフヘンノゲンリ(英語表記)principle of constancy of light velocity

デジタル大辞泉 「光速度不変の原理」の意味・読み・例文・類語

こうそくどふへん‐の‐げんり〔クワウソクドフヘン‐〕【光速度不変の原理】

互いに等速度運動をするすべての観測者からみて、光源運動によらず真空中の光速度は常に一定の値をとるという原理1905年アインシュタイン特殊相対性理論の基本原理として導入した。

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精選版 日本国語大辞典 「光速度不変の原理」の意味・読み・例文・類語

こうそくど【光速度】 不変(ふへん)の原理(げんり)

  1. 光の速度は等速度運動をするすべての観測者(慣性系)に対して一定の値を持つという原理。特殊相対性理論の基本原理。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「光速度不変の原理」の意味・わかりやすい解説

光速度不変の原理
こうそくどふへんのげんり
principle of constancy of light velocity

真空中の光の伝搬速度は互いに等速度運動している観測者に対して,観測者の速度によらず常に一定であるという原理。 J.C.マクスウェル電磁気学によると真空中の光速度はある一定値をもつことが導かれるが,この速さは宇宙を満たしているエーテルなる媒質に対して静止している座標系 (観測者) で測定される速さを示すと考えられていた。その後マイケルソン=モーリーの実験をはじめ,エーテルに対して運動している座標系 (たとえば地球上の観測者) における光速度を測定するいくつかの試みがいずれも否定的な結果に終った。 A.アインシュタインはこれらの実験結果をもとにエーテルの存在を否定して光速度不変の原理を立て,特殊相対性理論の基本原理の1つとした。

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法則の辞典 「光速度不変の原理」の解説

光速度不変の原理【principle of constancy of light velocity】

マイケルソンモーリーの実験結果に基づいて,アインシュタインが特殊相対論を構築するに当たって導入した根本的原理.互いに一様に運動するすべての観測者に対して光速度は常に一定の値を保つ.特殊相対性理論では相対性原理と結んでローレンツ変換*となり,一般相対性理論では四次元時空世界における測地線の長さ dsゼロであることを要求する結果となる.

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世界大百科事典(旧版)内の光速度不変の原理の言及

【相対性理論】より

…マクスウェルの電磁理論と力学の法則との整合性が問題なのであった。彼はまず,光の速度はどんな慣性系からみても同じであることを認めることから出発しようという(光速度不変の原理)。これが素朴な速度の合成則(2)とどんなに矛盾しようとも,一方において真空中におけるマクスウェル理論を正しいものと受けいれる限り,これ以外に考えようはないといわば居直った形である。…

※「光速度不変の原理」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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