日本大百科全書(ニッポニカ) 「全ドイツ労働者協会」の意味・わかりやすい解説
全ドイツ労働者協会
ぜんどいつろうどうしゃきょうかい
Allgemeiner Deutscher Arbeiterverein
1863年5月、進歩党からの自立を目標にライプツィヒで結成されたドイツの労働者の政治組織。ラッサールが「公開答状」で提案していた、国家の補助による生産協同組合の設立と普通選挙権の獲得を基本的な要求とした。ラッサールが会長に就任したが、64年彼が急死し、内紛が続いたあと、67年にJ・B・v・シュワイツァーが会長に就任した。しかし彼がラッサール主義を推し進めようとしたため、内部に反対派が形成され、反対派は69年、ベーベルらと結んでアイゼナハ派を結成した。以後、協会派はラッサール派とよばれ、アイゼナハ派と激しく対立したが、その影響力はなおアイゼナハ派をしのいでいた。両派は75年、ゴータ大会で合同し、ドイツ社会主義労働者党を結成した。
[松 俊夫]
『メーリング著、足利末男他訳『ドイツ社会民主主義史 下』(1969・ミネルヴァ書房)』